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純愛再婚のススメ⑩

「車にETCつけました。巨石パークいつ行きますか?」
と、あの時目の前に座った男性から
メールが来た。
東京帰りの彼の車には
ETCがついてなかったらしい。
 
とはいえ、
佐賀巨石パークに行くために
一泊二日で日程をあけられる日なんて
なかなかなかった。
 
3人の子どもの子育てと
日常の家事と自身の仕事に追われる主婦に
そんな余裕はなかった。
 
しばらくして、
「泊まりが無理ならランチでもしますか?」
とのお誘いがきた。
 
ランチを食べながら、
巨石の打ち合わせができる!
巨石パークに行きたくてたまらない私は
巨石の資料を携えて、
彼のお迎えを待った。
 
彼の車に乗って、昔ながらの喫茶店へ。
オムライスと鶏天を食べた。
 
「生年月日教えてくれる?」
「出身は?学校はどこ行ったの?」
「仕事は?」 
と、面接のような質問が。
巨石の資料を広げたけど、
彼はあまり興味を示さなかった。
 
まぁ、ランチ美味しいし良いか!
とその場を楽しむことにした。
 
「この後、コーヒー飲みに行きますか?」
「そうしましょう」
「どこかカフェ知ってる?」
「海の見えるステキなカフェがあります」
「では、そこへ行きましょう」
 
私達は喫茶店を出て、
海の見えるカフェへ向かった。
 
······つもりだった。
 
彼の車は、私の示した方向と違う方へ
向かいだした。
あれ?っと思った瞬間、
パッサーーンと重たい暖簾のような
カーテンをくぐって、
薄暗い駐車場についた。
入口にはガネーシャのオブジェがあった。
 
何だっけ、ここ。
そう思った瞬間、
彼の唇が私の唇に重なった。
何がなんだかわからなかった。

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