先生

教員養成学部で英語教員になるための講義を受けたら、英語ペラペラになるの!?

こんな記事を見つけました。

中学英語教師の6割、高校英語教師の3割超が英語検定準一級(英語教員に求められる英語力)以下であるという調査結果がでた、という記事です。

僕は教員養成学部で英語教育を専攻していたので、その観点からこの問題について考えていきたいと思います。

僕が受けた先生になるために受講した講義

教員養成学部の授業は主に4つに分けられます。

※私の大学の場合です。他の教員養成学部は少し違うかもしれません。

1. 全学共通教育科目(一般教養)

2. 教職専門科目(教職に関する科目:発達心理学、教育相談など)

3. 教科専門科目(私の場合小学校国語や理科、算数など)

4. 所属専門科目(英語教育コースの場合、英語に関する科目)

この4つの中で英語に関係しているのは1と4になります。1の一般教養では「英語総合」という全員が受ける習熟度別クラスがあります。これはどこの大学にも開講されているものだと思います。もしこのクラスで英語力がつけば、日本の大学生は今頃留学なんかしなくても英語がペラペラなはずです。

問題は4です。この所属専門科目で、果たして英語教員として大事な資質は身につくのでしょうか?

私が受講した所属専門科目を紹介していきます。

・英語学の世界
・英語の文法
・英米文学概論
・英米文学特別演習1
・英米文学特別講義1
・英語音声学講義
・英語音声学特別演習A
・英語表現特別演習(Speaking) 1
・英語表現特別演習(Speaking) 2
・英語表現特別演習(Writing) 1
・英語表現特別演習(Writing) 2
・英語表現特別研究 1
・英語表現特別研究 2
・異文化理解
・英語科教育法特別演習 2 
・英語科教育法特別講義 1
・英語科教育法 1 
・英語科教育法 2
・英語科教育法 3
・英語科教育法 4
・中学校教育実習

科目数にしたら結構ありますね。これだとわかりずらいので、科目の種類ごとに分類してみます。

①英語学 4講義8単位
・英語学の世界
・英語の文法
・英語音声学講義
・英語音声学特別演習A

②英米文学 3講義6単位
・英米文学概論
・英米文学特別演習1
・英米文学特別講義1

③英語コミュニケーション 6講義12単位
・英語表現特別演習(Speaking) 1
・英語表現特別演習(Speaking) 2
・英語表現特別演習(Writing) 1
・英語表現特別演習(Writing) 2
・英語表現特別研究 1
・英語表現特別研究 2

➃英語教育 7講義14単位
・英語科教育法特別演習 2 
・英語科教育法特別講義 1
・英語科教育法 1 
・英語科教育法 2
・英語科教育法 3
・英語科教育法 4
・中学校教育実習

➄比較文化 1講義2単位
・異文化理解

僕の考え

さて、ほとんどの授業で「英語〜」という科目名になっているので、全て英語で行われるかと言われたら全くそうではなくて、Writingの授業ではひたすら英語のテキストに90分文章を書くだけでしたし、Speakingも英語話したっけ?って感じで、楽々と単位を取れてしまいました。

英語学や音声学、英米文学は、英語で表現する力というよりも、英語そのものに対する知識を学びます。実際に英語コミュニケーション力を伸ばせる科目は・・・僕が受けた授業ではなかったかな。。

何が言いたいかというと、当然のことなのですが、授業だけ受けていても、英語教育学科だからと言って英語力が高まるとは限らないということです。

でも、各々の努力に依存するのもどうかと思います。公務員の試験ならまだわかります。大学は公務員養成学校ではないので、公務員試験に受かるかどうかは各々の努力次第な所は大きいと思います。しかし教員はそうはいきません。教員養成という名前を引っさげて4年間かけて教員のいろはを学んでいくわけです。4年間もかけてです。それなのに、その教員が備えているべき資質能力が備わっていない。それもかなりの割合で。これは大学生の不勉強だけのせいにしてはいけない気もするのです。

英語教員への期待は年々高まっています。しかし期待が高まれば高まるほど、「な〜んだ。そんなもんか、お前は」と言われることも多くなります。ひと昔前の英語教員なら英語でコミュニケーションが取れなくても文法を教えられればいい英語教員でした。しかし今は文法指導できるだけではいい英語教員とは呼ばれない世の中です。辛い。

英語教員への期待は高まっている中、英語教員養成のシステムは変わっているのでしょうか?

今の時代をサバイブする英語教員を育てる覚悟は大学にあるのでしょうか?(覚悟はあっても余裕がないのが現状なのかもしれません・・・。)

英語科だけ高い予算をつけて、質の良い英語教員を養成しようとしたら、他の数学科や理科の人たちはきっと怒るでしょう。だから現状英語科だけ改革するのって難しいのかなと。では高い予算を出してネイティブ教師雇ったり、留学行かせるために補助金出すのではなくて、もっとコスパのいい方法で、学生の英語力を高める方法ってないのでしょうか??

国立大学の1授業あたりの授業料は1800円らしいですね。1800円あれば、レアジョブとか、そういったオンライン英会話できますよね。眠くなるような話を聞くくらいならオンライン英会話やってた方が良いのでは?とか。でもそんなことしたら大学の意味って?ということになるし。いや、難しい。

もう半年フィリピンとかに放り出して、「はい、これから半年英語だけで生活してね」ってやればいいじゃんって僕は思ってしまんだけど。

結局、現状では自力で英語を学習するしかないのかな。そもそも英語が好きで英語教育学科に入ってくるのだと思いますので、それほど苦痛ではないと信じたい・・。

長々と失礼しました。








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