まっすぐに、力強く。2年目の飛躍へ。
「ん?このメンバーだと・・・左サイドバックの控えはどうなるんだ?」試合前に発表されるメンバー表を見てそう思ったのは、きっと私だけではなかったはず。
2022年3月2日、ホーム浦和戦。気がかりだったそのポジションで先発した登里享平選手が前半で負傷退場。代わりを務めることになったのは、交代で出場した塚川孝輝選手でした。
練習でもやっていなかったというポジションでの出場。それは、アクシデント続きで出だしから総力戦の様相を見せている2022シーズンを象徴するシーンにも思えます。
慣れないはずの場所で、いつもの「らしさ」あふれる果敢なプレーで奮闘する塚川選手。その姿は、チームのピンチを救う救世主のようでした。
2021年11月、早々にリーグ優勝を決めたフロンターレ。主力選手があちこちのメディアで取り上げられているのを見ながら、この優勝に十分に絡めなかった選手たちは今どんな心境でいるんだろう、とふと考えたことがあります。
優勝は、試合に出る出ないに関わらず全員でつかみ取ったもの。それでも、選手であるからには試合に絡めなくても満足ということはありえない。悔しい気持ちも少なからずあるだろうな、と。
出場機会を得られない時期が長かった塚川選手も、そのうちのひとりだったのではないかと思います。今シーズン、そんな選手が試合で活躍しているのを見ると、嬉しいし、勇気づけられます。
塚川選手の魅力は、フィジカルの強さと攻守どちらの場面でも光る積極性。技術的なことはまだよくわかっていない私ですが、彼の強みを活かしたまっすぐなプレーは純粋に見ていて気持ちがいいのです。
現地観戦した昨シーズンの天皇杯2回戦・長野戦。1点を追う後半終了間際でのヘディングシュートがずっと記憶に残っています。惜しくもゴールとはならなかったけれど、気迫に満ちた、決まる雰囲気しかない一撃でした。フロンターレでの初ゴールが待ち遠しい!
そして、彼のまっすぐさは、試合後インタビューなどでの自然体のコメントからも感じています。飾らない言葉を聞けば聞くほど、思い切りの良いプレーを見れば見るほど、応援したくなる選手。
三連覇という超難関に挑む、そして、昨シーズン以上の過密日程にも挑まなければならない今シーズン。欠かすことのできない選手だと思っています。
葛藤の移籍1年目から、飛躍の2年目へ。
2022年の塚川孝輝選手に期待しています。
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