続・あなたの旅と私の旅。旅に出て何を感じていますか?~嫁ゆっきぃ編~

亮一さんの旅日記、読んで頂けましたか?

インド旅の最終地『チェンナイ』から届いた亮一さんの記事はとても素晴らしかった。

彼にしか書けない記事だなぁと読んでてほれぼれしましたよ。

まだの方はぜひ!↓↓↓

さて、この別の地でのそれぞれの夫婦旅も終わりが見えてまいりました。

亮一さんがこちら横浜へ帰ってくるのは12月17日予定です。

亮一さんはインドからスリランカへ移動し、スリランカを満喫中。

またスリランカでの旅の気づきの記事が上がってきたら嬉しいな。


さてさて。

私の『過去のカケラを拾い集める旅』の続きをちょっとだけ書こうかと思います。

今回私が関西方面に赴いたのには理由があります。

『過去のカケラを拾い集めよう』と思ったのには理由があるのです。

それは『摂食障害』をテーマとした小説を書きあげたい!と切望したからです。(うわ!言っちゃった言っちゃったー!!)

私は長年摂食障害を患っていました。

始まりは14,5歳の頃。

よくある話ですが、きっかけは過度なダイエットです。

元々かなりな肥満体だった私。

小児肥満ってやつです。

思春期になり、そんな自分を嫌悪し始めたのがきっかけです。

摂食障害の難しいところは、気づいた時には引き返せないくらい重症化しているってところなんですね。

最初は「食べすぎちゃったから吐いちゃえ。」くらいな軽いノリです。

「吐いちゃえば太らないしね。」みたいな。

それがだんだんとエスカレートしていく。

でも本人はエスカレートしていっていることに気付いていないケースが多い。

『食べたら吐かずにいられない』

気付いたらそんな身体になっているのです。

私に摂食障害の症状があまりでなくなったのは30歳ぐらいの頃だったかな。

ゆるく症状が出始めてからだんだん酷くなり、15年です。

かなりひどい状態の頃は毎日が地獄のようでした。

人と楽しく食事ができないのはあたりまえのこと。

食事をするってなんだ?!という状態です。

食べ始めた瞬間から吐くことばかりを考えてしまう。

自分の食事の適性量なんて皆目見当がつかない。

食べられるもの(自分に許可しているもの)が限られる。

お腹が空くから食べるけど、空腹が満たされると罪悪感から吐く。

でもまたお腹が空くから食べる。で、また吐く。の無限の地獄ループ。

一日中食べ吐きの行為に支配される。が、それを人に言えない。

絶対にバレたくないから隠し通そうとする。

隠し事をしていることに罪悪感を覚える。

自分は汚くてみじめなヤツだと感じてしまう。

死にたい。でも死ねない。

お腹が空く。そんな自分を罰する。

食べる。吐く。また食べる。吐く。自分を罰する。

死にたい。消えてしまいたい。でもお腹が空く。食べる。吐く。…∞

そして一日が終わっていく。これが毎日。

うおーー!地獄だぁーーー!

と、まぁこんな毎日をだいたい15年くらい送ってきたわけです。

よく生きてんな。私。笑っちゃうよ。

私はとくにどこの病院にも行かず、もがきながら必死に生きていたら奇跡的に症状がでなくなりました。

完全に症状がでなくなったのは31歳のころからです。

亮一さんと知り合って、結婚したのは私にとってはでかかった。


私は今、どうして摂食障害の症状が出なくなったのかがよくわかる。

数年前まではどうして症状が出なくなったのかがあまりよくわかっていなかったのですが、今はとってもよくわかる。

摂食障害が国に難病指定されているのだと知ったのは最近の事です。

「え?!!難病指定されてんの?!!」とほんとにびっくりした。

それだけ治すことが難しいのですね。

と同時に「私は難病を病院にも行かず、カウンセリングにも行かずに治したんだ!」とやけに誇らしく感じちゃったのよね。ははは。

この私の体験、私の見解、私の想い、をどうにかしてシェアできないか。

そう考えた結果、「小説にしよう!」と強く思ってしまったのです。

物語にすれば入りやすいんじゃないか?と。

で、今、試行錯誤しながらほんとに少しずつカタチにしていっているのですが、まぁそのための旅だったのですよ。

(前置きがこーんなに長くなっちゃった。)

地獄のような毎日を送っていた場所に赴く。

そしてその時の感覚を思い出す。

今と比較して何を感じるのかを体験する。

そんなことを目的に私は過去の私がいた場所をとにかくウロウロしたのです。


前回書いた雄琴のソープランドの話しの後、私は滋賀県を後にして兵庫県尼崎市の『塚口』という場所で1年と少しの間生活をしました。

雄琴ソープ村を泣きながら散策した後、JR湖西線堅田駅から一気に阪急『塚口駅』に移動しました。

駅に着き、おぼろげな記憶を辿りながら住んでいたマンションを探します。

「えーと…たぶんこっちなんだよなぁ」「あ…なんかあそこ覚えてる…」「あれぇ?こんなとこあったっけぇ?」「あーー!なんかこんな感じだったー!」

だんだん記憶が蘇り、再び高揚感と切なさがこみ上げる。

私は当時の私が歩いたルートをなんとか思い出し、「…多分…こっちだ…」と鼻をクンクンと利かせながら歩きました。

そしてとうとう見つけたのです。

当時住んでいたマンションを。

「うわーー…ここだぁ…」

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マンションの入り口から見える風景。↑↑

当時の記憶がぶわーーーっと蘇る。

私は毎日このマンションの入り口から駆け足で出てきて、コンビニやスーパーに走った。

食べ吐きをするための買い物に駆け足で出かけたのです。

そして『ただ食べて吐き出すため』だけの食べ物を両手に抱えて駆け足で帰って来たのです。

一日に何回もここから出てきては両手に食べ物をたくさん抱えて帰ってくる私。

ここのマンションは入り口のすぐ目の前に管理人さんの事務所がある。

いつもいつも管理人さんの目を気にしながら出たり入ったりをしていたことを思い出し、胸がドキドキした。

画像2

マンションの入り口から見える管理人さんの事務所。↑↑↑丸見えなのよ。


ここで暮らしていた頃、私はクラブのホステスをしていて、途中から『パパ』的な人ができました。

まぁ『援助をしてくれる彼氏』みたいな存在だったのだけれど、思いのほかその人が私にのめりこんでしまったのです。

その人は私をとても大切に、宝物を扱うように接してくれました。

束縛はすごかったけれどね。

ある日その人に私の摂食障害がバレてしまいました。

私が食べ吐きをしたゴミをゴミ袋にいれたまま、置きっぱなしにして出かけてしまったからです。

いつもだったら捨てるのに。

その人は私が留守中に部屋に来て、そのゴミ袋を開けてしまいました。

パンパンに膨らんだゴミ袋がどこか怪しく感じたのでしょう。

私は絶対にバレたくなかったことがバレてしまったことに大きくショックを受けました。

(その人は最初浮気を疑いました。誰かを呼んでパーティでもしたのだと思ったらしいです。)

その人はそれからというもの、私が食べられそうなものを選んで「食べに行こう。ゆきえさんが食べられそうなものをゆーっくり食べたらええんやから。なぁ?」と優しく言いました。

私はそうされることが苦痛でたまらなかった。

食べたくないし、一緒に食べに行っても「早く帰ってくれないかな…吐きたいのに。」としか思えないからです。

でもその人は私をなんとかゆっくり治そうと試みていたのです。

その気持ちもうっとおしくてたまらなかった。

阪急塚口駅のすぐ近く。

その人が私を頻繁に連れて行ったお店があることを思い出しました。

「ゆきえさーん。カレーなら食べられるやろ?ご飯は太りそうで嫌やろ?だからご飯はすこーしでカレーのルーだけたくさん食べたらええやんか。なぁ?ルーをダブルにしよう。肉は太りそうで嫌やろ?エビのカレーにしたらゆきえさんも食べられるなぁ。なぁ?」

その人は優しい笑顔で、私を気遣いながらそんなことを言っていました。

当時の私はその言葉も迷惑で仕方がなかった。

「ほっといてよ…」といつも言いたくなっていた。

でも一生懸命なのは伝わったから、なんとか受け取ろうとしていました。

ますます自分を罰しながら。


「あのお店あるかなぁ…」

私はそのお店を探しました。

食べてみたくなったのです。

当時は「美味しい…でも吐きたい…もっと食べたい…でも吐きたい…」と葛藤しながら食べていたカレーを、今の私が食べたらどんな感じがするのだろう?と思ったからです。

しばらくウロウロしていると、そのお店が目の前に現れました。

画像3

「あった…ここだぁー…」

私は1人でぶつぶつと呟き、開店数分前のお店のまえに腰をおろしました。

当時のいやぁな気持ちが胸にこみ上げる。

と同時に、私を気遣ってくれていたその人の気持ちに気付いてしまう。

当時は気づかなかった気持ちに。

「お待たせしましたー。どうぞー。」

やる気のなさそうな女性店員さんが顔を覗かせ、店内へ。

「わ…わわわ…わー…」

変型判のコの字のカウンター。

オレンジの照明。

アンティークな感じの店内。

そして濃厚なカレーの匂い。

全てが懐かしくてきょろきょろと見回してしまう。

私は少しだけ他のメニューに浮気心をくすぐられながらも当時食べていた『エビカレー』を注文しました。

(ルーダブルにはさすがにしませんでしたが。)

画像4

こちらがそのカレー。

私は私の記憶を手繰り寄せる。

カレーの味を思い出す。

で、いよいよ実食。

「…ん?…んんん…?」

私はしばらく口の中の味に集中していました。

「んーー…?うむむむー…?」

当時の味なのです。

それは紛れもなく当時の味がなのですが、でも…なんというか…

しょっぱいのです!!!


「あれ…?こんなにしょっぱかったか…?いや、もう一口。んーー?…しょっぱいな。いやいや、もう一口。…んーーーー?…いや、しょっぱいぞ…」

↑これの無限ループ。

当時はここの美味しいカレーを罪悪感なくお腹いっぱい食べたい!と切望していたのに。

美味しいと感じていたはずなのに。

もちろんお店の味が変わってしまった可能性はあります。

が、そこはかとなく当時の味を思い出させるのです。

でも…

美味しくないっ!!

(あくまで私個人の感想ですよ。このお店は老舗です。)

私は『人の感覚』について思いを馳せました。

心配事や不安などの思考グールグルがあると、味覚や体の感覚が麻痺するのだと実感したのです。

「あぁ…美味しくないって思えてよかった…」

私が店を出て感じた感想はこれ。↑

私は私の味覚と感覚を取り戻せてよかった。

そう感じたのでした。


私の『過去のカケラを拾い集める旅』はこんな風に進んでいきました。

これをなんとかカタチにしたくてもがいています。

産み出す痛みと快感を感じながら。

旅はまだまだ続きますが今日はここまで。

どこかで続きが書けたらいいな。


さて、亮一さーーん!

スリランカはいかがですかー?

もし書けたらあなたの旅をシェアしていただけませんかぁー?



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藤山家 嫁&夫
藤山家嫁ゆっきぃ 最愛の旦那さん亮一さんと最愛の娘(7歳)空さん、義理母きみ子さんの4人&愛猫2匹でめっちゃ幸せに暮らしている。亮一さんと私、双方から1つのテーマについてやりとり形式のブログを書き綴っていきます。 夫婦のこと、SEXのこと、子育て…亮一さんの面白い視点に注目!