ひぃじいじ、明日手術するんやってさ
『手術の件でお話ししたいことがあるので、
病院に来てもらえますか?』
祖父の病院から電話。
どうやら手術ができることに
なったらしい。
でも、
いつするのか?
麻酔はできるのか?
その辺は何も分からないまま。
今日は仕事でも
来週からの新体制が発表になり、
自分も新業務に関わることが明確になった。
登校日の学校からは、
私がPTA役員に選ばれたという旨のプリントを
突然もらった。
もう、全体的に訳がわからない。
ただ言えることは、
重なる時は
何もかもが重なるなーってこと。
ドッと疲れる上に
何もかもが意味不明。
18時に仕事が終わったら
急いで病院に行こう。
車で30分ほどで着く。
でも、子供らはどうしよう。
半狂乱かの如く暴れ狂うムスコを
もう病院に連れては行けない...
どうしよう...
どうしよう...
思い切って頼ってみようか?
でも、そんなんしてええんやろか?
ネズミみたいにちっこい心臓で
私なりにいろいろ思い悩んでみた。
...結局、お願いしてみることにした。
『病院に行ってる間だけ、
うちの子らをみといてもらえますか??』
返事は
即オッケー!
子供ら全てに夕食を用意して、
あとはよろしくです!
の状態で病院に出発。
私、ほんまの天涯孤独じゃなくてよかった!
助けてくれる人、
頼れる人、ちゃんといてくれてた!!
病院への道中、
どうにもこうにも心がしんどくて、
運転しながらも違うことばかり考えていたから
何度か事故しそう?になった。
これはまじでヤバいと思って、
ギュッと気合を入れて
何度もハンドルを握り直した。
どうにか到着した病院で、
整形外科の先生の話を聞いた。
手術は明日の午前中。
92歳の高齢であることから
もちろん、何があってもおかしくない。
でも、また歩けるようになるために
この手術はどうしても必要なんやと。
この手のストレスに弱すぎる私は、
何度も自分の胸がギュッと痛くなったり
呼吸が浅くなるのを感じたりしながらも、
どーにかこうにか冷静に話を聞き、
クリアな思考で流れをイメージして
前向きにサインをした。
帰り際、
祖父にも会ってきた。
今日は病院の人たちに、
『何だかワカンねぇけども、
山くだってたら、
こっちの脚が痛くなってた』
と説明してたらしい。
(1人で登山しとったんかい!
んなわけなーい!)
私と話す時は
いつもの祖父になっているから、
『ここまで車でどれくらいかかったの?』
(30分もすれば着いちゃうんだから、
大したことないよー)
『こんな夜に迷惑かけて、
わざわざ来てもらって...申し訳ない』
(何をおっしゃいます!)
『仕事してるの?何の仕事?』
(家で仕事してるよ。しっかり稼いでるよ。)
『ゆきちゃんの父(息子)は、アレはもう
70代になったか?』
(なってない!)
『30代で子育てしてるなんて、普通は、
ちゃんと旦那に養ってもらって、
それでようやくやっていけるくらいのもんだ。
なのに、何でまた、ゆきちゃんは
1人で子供育てて、
1人でがんばれてんだい?
よっぽど親の育て方がよかったのかい?』
(親にもお世話になったけど、
これは私の底力です!褒めて!)
もちろん同じことは何度も聞かれるけど、
ちゃんといろんなことは覚えている
(私がシングルということも含め)。
私には、いつも通りの祖父やった。
私と話しながら時折笑う祖父を見ていると、
今日は私も心から笑えた。
帰り道、
行きしよりずっとずっと
自分の心が穏やかになっているのが分かった。
子供らがいなくてよかった。
私1人やからこそ冷静になれたし、
ほんまの自分のままで話ができた。
家に帰ると、
子供らは自分らで風呂に入って
パジャマに着替えていたし、
気を利かせたお友達が
夕食後の食器まできれいに洗ってくれていた。
『お母しゃん、おかえりぃー!
遅かったねー!どちてー??』
ムスコの謎の質問も、
今日はものすごく柔らかく聞こえる。
行きしは
食欲ないな...胃腸も痛いし...
と思っていたが、
帰宅したら
突然お腹が空いたので
残っていた夕食をぜんぶ食べた。
明日は手術。。
また病院に行かなきゃならない。
『明日も子供らはみといてあげるから!』
と言ってもらい、心底ホッとした。
完全に独りぼっちになっていた
こないだの病院が嘘みたい。
今日はものすごく優しい気持ちになれていた。
頼れる人がいて、
支えてくれる人がいるというのは、
ほんまにほんまに
ありがたいことなのよ。
唯一無二よ。
みんなみんな、
ほんまにほんまにありがとうございます!
おじいちゃん、
明日、手術がんばれ!
大丈夫やからな!!
なぜかシャツを前後逆に着るムスコ。
どこでもすぐ、
下着ランニングになるムスコ。
(今日は裸にはならなかった!
気温の問題!)
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