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男のカゲでも何でも使えるもんは使たんねん

◯◯さんとこの 娘
◯◯さんとこの 嫁
◯◯さんの 奥さん(妻)


この肩書があるかないかで、
大きく違う世界がある。確かにある。



私はこの場所において、
いずれの肩書も所有していないので、


いわゆる

**無所属(女) ** である。


無所属(女)の方が
圧倒的に気楽で
圧倒的に幸せでいられる場合もあれば、

無所属(女)の方が
明らかに邪険に扱われて
明らかに嫌な思いをする場合もある。



なんなんやろな。
ほんま、なんなんやろな...






コロナの前。

昼間からお酒で出来上がったおっちゃんたちと
同じ空間(店)を共有する機会があった。


初めて出会うそのおっちゃんたちは、
お世話になってる団体を支えてくれる
地元の青年部や町会議員や、
町の商店の店主の方たち。

愛想よく、温かく接するべき相手と判断した私は、いつものように優しく丁寧に接した。
(ちなみに、子供らも一緒)

さっきから
やたら目が合うなと思っていたおっちゃんが、やぁやぁと話しかけてくる。


どうやら私の顔が好みらしい。
(昔から、
わりとおっさんに好まれる顔である)

あと、
私の関西弁が
酔っ払いの東北人にはよく聞こえるらしくて、みんなで盛り上がっている。


『可愛い子供たちじゃないの!
お母さん、キレイねー!!
キレイなお母さんでいいねー!

この辺の人ではないよね!
〜でんねん!の関西弁だもんね!
(私の親が誰かの知り合いでないことが分かる)


旦那さんはどんな人?どこの人なの?
(夫がいる場合、
夫が誰かの知り合い、
もしくは、誰かの親族や同級生と
繋がってないかを確認)


え?!何?!シングル!独身!!

えーー!!そーなのー!!
これはいいねー!!』



完全に絡まれている。


しかも、すぐそばには、
そのおっちゃんたちの妻と子供(高校生くらいの息子たち)がいるではないか。

『いやー、ほんま、酔っ払い過ぎですよ?
もーええですって!ニコリ★

ほらほら、
すてきな奥さんと子供さんたちおるでしょ?
そんな思ってもないこと、
ゆーたらあきませんよ!ニコリ★


心の中では、もう煮え繰り返る思いで
ニコニコ対応していた私。
見た目にも、
明らかに私が嫌がってる感じって
分かるはずやのに...

そのうち、
すぐ横にいる奥さんや子供達から
冷たい視線を送られていることに気づく。

え?!
何で私がそういう目で見られなあかんわけ?


次第に悲しくなってくる。

こういうパターンの場合、

奥さんが

『アンタ!若い子(若くないけど)
困らせたらあかんで!!

ほんまごめんねぇー!!
ウチのがめんどくさい絡み方して。

アンタ!
ほんま、お姉ちゃん困らせたらあかん!
ちっちゃい子供らもおんねんで!

どーしょーもないなぁ!
ほら!アンタ、こっち来てなさい!!』

そんな風にゆーてくれるもんやと
思っていたが、
今回はそうではなかった。



東北の女性は、
男性の後ろに静かにいて
男性に対して
自分から意見することのない人が多い...


こういうことなのかも、と思った。

みんながみんなそうではないし、
世代によっても大きく違うけど、

明らかに40代後半〜50代くらいに見えるその奥さんたちは、私に冷たい視線は送っていた。
そして、ただの一言も発しなかった。

釈然としない。
納得がいかない。
しかも、
想像以上に傷ついてる私の心。



訳のわからん絡み方されて、
困ってるのは私。
嫌な思いしてるのも私。


なのに、

おっさんよりも確実に私が仲良くなりたい
“女性という存在”に、
冷たい視線を向けられている。


そのわちゃわちゃした酔っ払いおっちゃんたちから早々に逃げ、マイカーで山道を帰る途中。


『おっちゃんたち、
お酒いっぱい飲んでたよねー!
なんかよくわかんないこと言ってたよねー!』

ムスメがカラッとした感じで言う。


『うん。訳わからんこと“しか”、
ゆーてなかったね。
めんどくさいねー』

その会話だけで、気持ちが通じる
私とムスメ。


誰かの娘、嫁、妻...ならば、
そんなに言われないのよ。


明らかに男のカゲがあった方が、
便利な時がある。

岩手でも、
女1人ではバカにされたり、
テキトーな話をされることが多かったけど、

お隣のおっちゃんの名前を出したら
突然話が変わるとか、
丁寧に対応してもらえるとか...

そんなことは何度もあったもんね。



郷にいれば郷に従え

だけどまぁ、私は私やしな。

使えるもんは使う

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