【声劇フリー台本】いつもとおなじ

陰鬱台本です。


【利用規則】


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 台本のアレンジは自由ですが、台本の意味合いが大きく変わるような改変(大幅にカットするなど)は不可とします。
 便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。

◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。


【台本】


 なんとなく、そんな気がしていた。
 これまでの人生がそうだったのに、それが劇的に変わるわけがない。
 あれが奇跡だったのであって、奇跡は何度も起こらない。

 それでも相も変わらず打ちのめされたような気分になっている。
 学習能力がないんじゃなかろうか。

 こんなことをいつまでも引きずっているからいけないのだろう。
 だからこそ失っていくのだ。
 だからこそ何度も同じことを繰り返すのだ。
 理解しているからこそ抜け出すことのできない渦の中に僕はずっと囚われている。

 どんな関係もいつかは終わりを迎える。
 ずっと続くと思っていた時間もそう長くは続かない。

 これまでがそうだった。
 だからきっと、これからもそうなんだ。

 どれもこれも僕が悪くて。
 僕だけが消えて終わる関係ばかりで。
 好かれるだけの価値などなくて。
 嫌われるための理由ばかりだ。

 自分を殺し続けていなければ保つことはできない。
 願望を出せば、欲を出せば、自分もそうなりたいと思えば、たちまちに全て壊れて消える。
 どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろう。
 忘れていたのか、今回ばかりはそうじゃないと思いたかったのか。
 僕が僕である以上、そうならないなんてこと、あるはずがないのに。
 どうしてそんな、馬鹿げた夢など見てしまったのだろう。

 諦めた方がいい。
 望まない方がいい。
 相手を解放した方がいい。
 いつまでもいつまでも、僕に関わらせておくべきじゃない。
 迷惑だ。

 黙っていればいい。
 表に出さなければいい。
 瞼を閉じて、開いて、それを何度も繰り返しながら時間切れを待てばいい。
 そうすればいつか、自然と消えていく。

 ひとときでもいい夢が見れた。
 僕にしては、身に余るほどの幸福だった。
 それでもう、十分だろう?

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