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【読書】企画 -「いい企画」なんて存在しない-(高瀬敦也)
フジテレビの人気番組、「逃走中」「有吉の夏休み」。
これらの番組を企画したのが、コンテンツプロデューサーの高瀬敦也さんだ。
その高瀬敦也さん著・『企画 -「いい企画」なんて存在しない-』。
起業家になった私が相棒にしたい1冊だ。
***
この本は、「企画」に関するよくある悩み、
コンテンツをつくる以前に企画が思いつかない
どうしたら企画力をつけられるのか
どうしたらセンスのある企画を思いつくのか
といった悩みに対して、著者が改めて「企画」について考えたことをまとめた本である。
本の構成としては、まず "企画" というものの基本概念の整理からはじまり、ビジネスで企画をするうえで必要となる考え方、そして企画をするためのテクニックや思考法など実践的な内容まで述べられている。
これからビジネスを企画していく中で、迷った時には一度この本を開いてほしい、と未来の自分に伝えたい内容だった。
特に、基本概念のところでは、"企画" というものを本質的に捉えており、
正直今の私では消化しきれていない部分もあるが、これからビジネスを"企画" していく中で理解が深まりそうな予感がしている。
以下では、2022年9月時点の私が、直感的にこれは大切な考え方だと思った内容を、未来の私に向けて記録しておく。
企画=「決めること」
「何でもいいから、新しい企画を出して」
こんなセリフをドラマで聞いたことがある。
案外、企画のスタートってこんな感じで始まるのかもしれない。
しかし、この指示では企画者は何から手を付けていいか分からないと思う。
こういった時、最初にすべきことは何だろうか?
それは、企画の最終的な目的を「決める」ことだ。
「優秀な社員を採用するために自社のイメージアップをしたい」のか、「新商品の売上を上げたい」のか。
最終的な目的、つまり、企画の方向性を決める。
そして次に、予算を決める。
予算を決めれば、例えば3億円の予算があるなら有名女優さんを起用したテレビCMが候補に挙がるし、予算が0円ならSNSを使うしかない、などと
広告の方向性が見えてくる。
そしてその次は、その企画によって「誰のどんなリアクションを期待するのか」を決める。
丸の内で働く20代の女性に「これ、すごくオシャレ!」と思ってもらいたいのか、40代の主婦に「なんだか便利そうだな」と思ってもらいたいのか。
20代の女性に「これ、すごくオシャレ!」と思ってもらいたい、と決めれば、「20代女性に人気のインフルエンサーを調べてみよう」というふうに
次の動き方が決まる。
「何でもいいから、新しい企画を出して」
という無限の可能性がある状態から、このように「決めて」いくことで
企画実現のための次の打ち手が決まってくる。
著者は、これこそが企画のたどる道であり、「企画=決めること」だと述べている。
「決めること」が価値を持つ時代
「企画=決めること」に関連して、もう一つ大切にしたい考え方が、
「決めることが価値を持つ時代」ということだ。
企画のアイデアは既存のもの同士の組合せである、と言われる。
なので、アイデア自体は極論を言えばAIでもつくれるようになる。
しかし、AIが提案してきた中からどれを選ぶのかを決めるのは人間である。
ということは、成功確率が99%のA案ではなく、成功確率は1%だが楽しそうだと感じるB案にする、という選択をすることだってあり得る。
「企画の価値」は、当たる確率如何に関わらず、
「人間が決めた」という事実から生じることに
なるでしょう。
「企画=アイデアを出すこと」というイメージがあったが、全然違っていて、
「企画=決めること」であり、人間が「決めたこと」にこそ価値がある、という。
まとめ
起業家として、自分が立ち上げるビジネスを企画する中で、「決めること」が次々と出てきて、自分がやっている方向がこれでよいのか不安になることがある。
でも、それで良いのだとこの本を読んで少し安心できた面がある。
「企画=決めること」であり、しかも自分が「決めたこと」にこそ価値があるということなので、日々「決めていく」ことでビジネス企画の実現に近づけているのだと信じながら進めていきたいと思う。
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