子供

たとえキミが今日のことを覚えていないとしても

40歳で息子を産んだ

あの日から2年と8カ月あまり

1年目はとにかく毎日息をしているか、生存確認で忙しく「かわいい」という感情はあまり湧いてこなかった。ありがたいことに五体満足に生まれてくれたけれど、一般的に人間としては最小サイズ(赤ちゃん)の彼は何かちょっと起こったら死んでしまうんじゃないかという恐怖。夜寝ていても何度も何度も起きて隣をみて息をしていることを確認してまた寝る。これの繰り返し。

そんな日々も息子が1歳を超えるころには、何とか我が子を「かわいい」と思う余裕ができてきた。

子どもがいないころ、きっと女性は母になったら自動的に我が子を産んだ瞬間からかわいいかわいいで365日を基本的には過ごすもんだと思ってきた。

でもどうやらそれは違った。

「かわいい」という感情には、あくまでも私の場合は
「心の余裕」が必要なのだと、初めて知った。

そして「かわいい」に加えて「愛しい」という感情の深さを日々感じている今日この頃

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今朝のこと

息子がまだ起きてきていない夫を「パパ、パパ」と何度も、何度も、それは何度も読んでいた。

「起こしにいく?」ときく私

「ううん」と首をふる息子

そんなやりとりを何度かして、また「パパ」を呼び続ける息子

朝の忙しい時間にゆっくり寝ている夫への苛立ちもあり

「パパのことは知らないよ」と何度か答えた

そして

一通りの用事を済ましてやっと食卓に座って息子の顔をみた

そこには何故か目に涙を浮かべた2歳がいた

「どうしたの?えっ?何?」焦る私は息子を抱きしめた

もしかして、、、、、


「パパがいなくなったと思ったの?」

「うん」

「もしかしてママがパパを知らないって言ったから?」
それには答えなかったけど、涙が一筋すべすべの頬をつたった

なんだろう、この気持ち



子どもの心は真っ白で真っすぐだ。
でも、ひとつの情報からこちらが思ってもないことを考えてしまうものなのかな

そしてもし私がその浮かべた涙に気付かなかったら、もしかしたら頑張ってこらえて、その涙は乾いてしまったかもしれない

あー
息子よ、ごめん

2歳の心は真っ白で真っすぐだけど

きっと親が思っているほど単純ではないのかもしれない

うまく言えないけれど参りました


たとえキミが今日のことを覚えてないとしても、いやきっと確実に覚えてないと思うけれど、

ママは今日のことを絶対に忘れないよ
なんだか大切なことをキミに教えてもらったような気もする


「愛しい」という意味を教えてくれて、ありがとう


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