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短編小説、エッセイ、その他自分の描いたもの

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物語が中心です。おもに短編小説。
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2021年3月の記事一覧

「もうわたしのことは考えないで」と彼女は言った

夢の中で久しぶりに女ともだち3人で集まった。 わたしたちが連絡を取り合うのは「どこかでおいしいものを食べよう」という時だけ。 昨今はコロナで、会って食事をする機会を逸してしまっていた。 それでしばらくのあいだ電話もメールもしないままだったのだ。 集まったのは、白い椅子に白い丸テーブルのイタリア料理の店。 予約のときにアサミがコース料理を注文してくれてたらしい。 「お店で悩むより楽だから、勝手に頼んでたの」と笑いながら言ってくれた。 前菜と、オリーブオイルをつけたバケット

君のいる空の下で今日もおしゃべりをしている

2011年3月12日。その日九州新幹線が開通した。 震災の翌日のことだ。 全線開通のオープニングイベントは、前日の夕方に早々に中止になった。 ダンスもパレードもなくなってしまった。 テレビで流れる津波の衝撃的に呆然とするだけで、これからどうすればいいのかなんて誰にもわからなかった。 当時、新幹線が停車することになったわたしの町は、ふわふわ浮き足立っていた。 この町から新幹線でまっすぐ遠くに行ける。九州の小さな町にとって、それは夢のような話だった。 九州新幹線開通の当日は