好きなマンガを語る。遠藤達哉『TISTA』

 スパイファミリーを描いてる遠藤達哉の初連載作品。『TISTA』知ってる?

 シスターの女の子、ティスタがスナイパーライフルで犯罪者を裁く話。

 ニューヨークの摩天楼から1キロ先の人間とか撃ち抜く。神の裁きみたいに。でも悪党からも警察からも死神って呼ばれてる。

 設定的にはゴルゴ13と必殺仕事人を合わせた感じ。

 でもゴルゴたちと違って、ティスタはわりと普通の女の子。

 だから犯罪者を狙撃する度に、めちゃくちゃストレス感じて吐いたり、精神すり減らしてボロボロになってく。

 でも使命だから続けてる。

 主よ、憐れみたまえ。そう祈りながら人を殺す。

 それは犯罪者への祈りか。自らへの祈りか。

 正義のために犯罪を犯すという矛盾の中で、ティスタは壊れていく。

 暗い…。

 エピソードも虐待の話しとか、はした金で利用されてチンピラに殺される子供の話とか、暗め。しかもクリスマスにその事件が起きるっていうのがつらい。

 お母さんが、チキンなんていらなかった、あの子がいればそれでよかった。みたいなセリフを言うところで一回本閉じる。インターバル挟まないと読めない。

 ティスタがちゃんとその犯罪者たちを撃ち殺してくれるからまだ救いがあるけど、ティスタ自身は殺すほどに精神が壊れていくし……。

 暗い……。

 面白かったけど、ジャンプスクエアには暗すぎたと思う。2巻で終わっちゃったし…。伏線ももっと色々ぁたと思うけど回収されなかったな。でもすごく良い終わり方だった。

 ティスタやってた頃のジャンプスクエアって暗い話多かった気がする。暗いというか、ダーク系。クレイモアとか、屍鬼とか、テガミバチとかDグレとか。スクエア自体そういう路線だったのかな。

 今連載してるスパイファミリーめちゃくちゃ面白いけど、個人的にはティスタが好き。

 エンタメ!も好きだけど、とがってるマンガも好き。作者の作家性の原石みたいな。初連載だと特に。

 『TISTA』是非読んで。

 

 

 

 

 

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