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京都サンガF.C.とロンドリーナECの提携について

突然発表された「トップチームかつグローバルに活躍する、世界水準のサッカー選手を育成する」という京都サンガF.C.の指導理念と4人の若手選手のブラジルへのレンタル移籍。そこで今回はロンドリーナECへのレンタル移籍の流れと提携の詳細についてまとめてみました。

今回移籍した4人の選手

・荻野広大

・島村拓弥

・江川慶城

・服部航平

今回移籍するロンドリーナECとは?

ロンドリーナECはブラジル全国選手権においてはセリエB(2部)、パラナ州選手権では1部に所属するクラブ。昨年はセリエBで8位、パラナ州選手権で準優勝だったようです。ちなみにロンドリーナはパラナ州の中では州都クリチバに次いで日系人が多く暮らす都市であり、およそ2万人が居住しているそうです(Wikipedia調べ)。

移籍の位置づけ

今回の移籍はロンドリーナECと京都サンガF.C.とのパートナーシップの出発点として位置づけられており、金銭的な補償は京都が支払うとのことです。ロンドリーナECの目標は「他の日本人選手に門戸を開き、それによってアジア市場での居場所を確保すること」で、その点で若手選手を育成したい京都との思惑が一致したようです。

提携を仲介したのは過去にヒョーゴFCを指揮したセルジオ・オオニシ氏

こちらの記事によると今回の提携を仲介したのは1992年から2005年の間にヒョーゴFCを指揮したセルジオ・オオニシ氏。ヒョーゴFCと言えば布部陽功元監督が1994年、小島卓元強化部長が1995-98年に所属したクラブ(特に小島卓元強化部長の影響は多かれ少なかれあったものかと思われます)。彼は過去にもロンドリーナECへの日本人選手の留学生受け入れの仲介を行っており、元々クラブとのパイプを持っていたようです。荻野・島村の入団会見で彼は「日本のクラブがこのようなパートナーシップを組むのは初めてのことで、プロ選手をブラジルに向けてローンしている。」「彼らは可能性を秘めた選手だが、日本でのトレーニングの部分は他の多くの選手と同じだろう。クラブの目的は、得点の仕方を学び、フィールド内の相手のスペースとブラジルの選手のマリーシアを利用することである。」と語っています。

移籍会見

荻野広大「目指している事は試合に出て、ロンドリーナのために頑張りたいです。こっちにきて3週間ぐらい経ちますけど、ブラジルの選手は早くて強くて、日本とは違うところが沢山あるので、そういう所を吸収して日本に帰るときには圧倒できるようなものを持ち帰りたいなと思います。」
島村拓弥「正直、不安の方が大きかったですけど、ブラジルはサッカーで有名だったから吸収できるものがいっぱいあると思い、家族ともすぐ相談して結構早い段階で行くのは決断しました。」


現在の状況

SANGA Message!では荻野、島村共に選手登録が完了していない状況だと伝えられていましたが、3月26日付でブラジルサッカー連盟に選手登録が完了し公式戦に出場できるようになりました。江川・服部についてはそもそも選手登録が必要なのかどうかも不明ですが、彼ら4人のこれからのブラジルでの活躍に期待したいです。

おまけ・これまでの提携と目的

FC.SETA 2002 SHIGA(2002~)パートナーシップ契約を結んでおり、プロフェッショナルコーチを派遣。指導者派遣だけでなく、京都サンガF.C.下部組織との定期的なトレーニングマッチや指導者間交流などを行い、レベルアップを図る。2019年4月より京都サンガF.C.アカデミーセンター(育成部組織)とし、名称を「京都サンガF.C.U-15 SETA滋賀」に改め活動。
立命館宇治高校(2006~)サッカーのトッププレーヤーを育てることを目的とした、立命館宇治高校との共同プロジェクト。京都サンガF.C.のユース選手(U-18)としてサンガ寮で生活しながら、立命館宇治高校に通学。プロをめざしてサッカーに打ち込みながら、立命館宇治高校で高い学力、英語力を身につけていく。
グルノーブル・フット38(2007~不明)クラブ間の選手、コーチ、スタッフ等の相互交流を行い、主にスカラーアスリートプロジェクト、アカデミーセンターの選手育成、コーチ・指導者の養成を、育成型クラブとしての更なる拡充を目指す。
SP京都FC(2014~2015)ジュニア選手の育成。京都サンガF.C.から指導者1名を佐川印刷京都へ派遣し、チームの指導。選手育成、強化を目的とし、京都サンガF.C.に所属する23歳以下の選手に関して、育成型期限付き移籍制度を活用し、積極的な選手交流をはかる。

参考記事



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