部屋の設えを組換える
部屋の設えを組換えるということは、
自分という人間の設定を組替えるということだ。
勇気を振り絞って、
何が入っているのかわからない段ボールのガムテープをはがす。
ごちゃごちゃに押し込み、絡まっているもの達を
ひとつひとつ解きほぐし、ひとつひとつつまみ出す。
見るのも億劫なものに光をあて、
こうありたいという姿になる位置と設えを探し出す。
ひとつひとつが再び、
こうありたいと願う私やあなたを構成するものになる。
そこに至る道のりは、直線距離では見つからない。
何日も何日も考えて、
ふと全然違うところにきっかけが転がっていたりする。
例えば玄関の暖簾かけに使っていたバーを
冬物のコート掛けにするという、どうしてそれが?
ということを思いついた途端、すべてがうまく流れ始める。
段ボールに押し込んだままだった
コートやパンツを日に干してアイロンをあて、カバーをかけて
冬物衣料の居場所ができる。
コート掛けの下の棚の高さを調整して
季節ごとの洋服の全部の箱をすぐに引き出せるようにする。
貰いものが溜まって層となっていたタオルたちを整えて
どんどん使うようにする。
そうすると、見たくもなかった場所は雲散霧消し、
心の落ち着く空間が生まれる。
見たくなくて、億劫で、やりたくないということは、
それが一筋縄ではいかないということがわかっているということ。
どれだけ時間がかかろうとも、やってのけること。
ありたい姿に辿り着くためならば。