ダブルクロス:遺産の使い方

初めましての方は初めまして。幸村リコと申します。

今回はDX3rdに登場するDロイス「遺産継承者」によって取得できるアイテムたち(遺産)について書いていこうかと思います。当然のことですが、ゲーム内で運用する際に必要となるデータに関しましては記載しておりません。そちらをお求めの方はサプリメント「リンゲージマインド」及びその他のデータ集をお買い求めください。

この記事がリプレイなどを読む際の手助けになれば幸いです。


コピーライト

本記事は「矢野俊策」「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物となります。
©矢野俊策/F.E.A.R.

はじめに

まず、遺産とは、レネゲイドにまつわる物品や情報、時には特別なレネゲイドという存在そのもののことです。ゲーム的にはDロイス「遺産継承者」及び「遺産の器」で取得することが可能な、強力なアイテム群を指します。

この「遺産」に宿るレネゲイドは兄弟で、遺産そのものが意志を持ち、使う人を選びます。遺産が自らを使う資格があるとみなし、契約を交わした者のみが遺産の力を行使する権利を得るのです。

ただ、遺産の持つ力は契約者をも蝕みます。これらはデータにも反映されており、各種遺産は原則として「メイン効果」「サブ効果(フレーバーのデメリット)」「初期侵蝕値の上昇またはデータ上のデメリット」の3つを持っています。

さらに遺産の効果はどれも一癖あり、総じて上級者向けの性質といえるでしょう。

「リンゲージマインド」掲載分

■栄光と勝利の槍

取得すると《カウンター》の使用が許される投槍。

遠近両用なのがオサレポイントだが、カウンターの使用を考慮した場合近接にする必要は特にないのが残念。単純に打点が妙に高いので選択肢の一つとしてカウンターを加えられるようになる武器として扱うのがいいのだろうか。

デメリットも戦闘時には特に問題なく使いやすい部類。むしろロールプレイがはかどるか。


■鬼斬りの古太刀

攻撃成功時にEロイスを破壊できる刀。

しかもあらかじめ解除条件を定めていない限りGMには拒否権がない。書いてあること自体はめちゃ強いのだが、いざ使うとまずGMの思惑がぶっ壊れるので持ち込みを許されなさそうな武器。

ちなみにデメリットはほとんど問題にならないというかすごくおいしい。UGNチルドレンが持ってたらすごく楽しそう。また地味に侵蝕率上昇が少し軽め。


■蛇王の外套

ウロボロスのエフェクトを1つだけ取れるコート。

万能屋たるウロボロスのエフェクトを得られるというのは大きなアドバンテージだが、コピーエフェクトが欲しいなら複製体でも使えばいいことになってしまう。ウロボロスの本体性能側から選ぶのがいいのだろうか。

デメリットはとんでもなく重いというか正義のPCではいられなくなりそうな内容。しかも侵蝕率もマッハ。光のオーヴァードでいたい際の採用検討は慎重に。


■チャリオットパラー

《戦術》を教えてくれる馬車。

攻撃力がやっぱり謎に高いため運転攻撃に使えなくもないが、《戦術》の効果は自分には乗らないというのがジレンマ。そもそも戦術のコストがおいそれとは使えないレベルなのでとにかく扱いが難しい。

デメリットは謎。戦うことと味方との連携を主眼に置いているこのゲームで滑らかにRPするのが難しいように感じる。思い出したように代償を受ける感じになりそう。FHキャラやゼノスキャラならばもうちょっと使いやすいか。


■イフリートの腕

サラマンダーエフェクトをくれる上に攻撃力まで上げてくれるナイスガイ。

ナイスガイとは言ったが、サラマンダーのアイテムには炎と氷の演出を逆にしてもかまわないという裁量があるので、別にシヴァ(FF)の腕でもいい。

効果としては殴り屋のサラマンダーからエフェクトをとれるので攻撃力には困らなくなることと思われる。場合によっては「初めからサラマンダー取れや」ともなりかねないが。

デメリットも演出に使いやすい。上級者向けのデータが並ぶ遺産の中でも特に優しい部類と思われる。欠点は侵蝕率上昇が多めなことだけ。

■誓約の瞳

RCを強化し《ナーブジャック》の使用権を1度だけ得る。

所謂「魔眼」を手に入れる(バロールではない)。しかもこの遺産によって使用できるナーブジャックは侵蝕率上昇が固定されており利用の見通しも立てやすくなっている。問題としてはそもそもナーブジャックをPCで撃つ機会がまずないことだろう。確かにボスの行動を乗っ取れれば強いのだが、ナーブジャックを撃ってまでやることではないだろう。

演出面も問題児だが、キャラクターによっては問題なく受け入れられる。やはり問題はナーブジャックの悪役あじだけか。

■ニーベルングの指輪

常備化ptとガード値を増やせる指輪。

すごく堅実なのだが、それゆえにDロイスを食ってまでやることなのだろうか……という空気が漂う。しかもLM掲載分の中ではこれだけデメリットがデータ上にも及んでいる。ガード屋をする分には問題になりにくいのだが、肝心なところでトチりやすくなるので可能ならば変異暴走などを忍ばせておきたくなる。

フレーバー的には極めて使いやすく、どんなにダイスが荒ぶろうと全部この指輪のせいにできる。えらいスケープゴートなのだ。しかも侵蝕率上昇がかなり少ない。やはりガード屋向けということなのだろう。


■ヨトゥンの血潮

《完全獣化》を得る。おまけでHPも上がる。

完全獣化ということはまず殴り屋だし、キュマイラを混ぜない限りは素手縛りになるのだがその場合おまけで貰ったタフネスが腐りやすい。サラマンダーやブラムのようにHPを減らして増やしてというムーブが多いシンドロームに差すことで打点形成をやりやすくすればよいのだろうか。

なぜかこれだけデメリットがあいまいな書き方をされている。申し訳程度の内容は書いてあるのだが、どう考えたってそれはほかの遺産にも共通しているのだ。代償RPがしたい型には非推奨か。


「ヒューマンリレーション」掲載分


■ジュラシックレコード

基礎能力値がアップする武器。ついでに装甲値もついてくる。

効果が単純ゆえに癖もなく使いやすい。遺産武器の例に漏れず攻撃力もしっかりあるため白兵屋が武器のついでに最低限の自衛手段を備えるのにはいいだろう。なお、これに限らず後付けで能力値を盛るタイプのDロイスやエンブレムなどで能力値0の穴を埋めることは不可能。シンドロームの組み合わせで漏れてしまった分はしっかり経験点を払う必要があるため注意。

デメリットは問題になりにくい部類。また侵蝕上昇も少なめ。なお、HR掲載分の遺産は侵蝕上昇がないまたは少ないものが多い。これは同じくHRに掲載されているDロイス「遺産の器」には侵蝕上昇がデフォルトでついているからだろうか。


■必中の弓

射撃時にデバフを無効化し、逆にバフを得る弓。

インチキである。申し訳程度に攻撃失敗時にデメリットが発動するようになっているが、そもそもダブルクロスというゲームの仕様上デバフさえなければ滅多に攻撃が外れないんだからないも同然である。本体性能も例によって下手な白兵よりも上。明らかにレベルが違う。

デメリットは皆無。無欠過ぎて言うことがない。


■白猿の額冠

ハヌマーンエフェクトを得られる防具。

ハヌマーンのエフェクトが優秀なため、必然的にこの遺産も有益である。しかもついでのような行動値上昇がすっと効いてくる。雑にサイレンの魔女を投げつけるだけだっていい。それするとHRに入ってる魔女のリミットエフェクトは取れないけど。

デメリットはデバフを受けると大ダメージを受けてしまうというもの。命の軽いこのゲームでは基本的に問題はないが、ロイスを温存したい展開に差し掛かったところでダメ押しを食らうと致命傷になりかねない点は注意が必要。ちなみにこれを逆用してラストアクションを起動する型もある。こえーよ。


■海鳴の石板

特大の達成値デバフを与えられる石板。

とにかく修正値がデカいため、攻撃にぶつけると回避まではならずとも攻撃力を削ぐことが可能。ただ、判定失敗まで追い込むには事前の準備が肝要なため、思ったようには動かないかもしれない。

デメリットはとにかく重い。ロイスがタイタスに変化すると即座にデメリットが発生するため、クライマックスフェイズではメイン効果等を駆使してひたすら死なないように立ち回らなければならなくなる。無論、ジャームにそんな心配はないためGMとして握ってPCにぶつけてみるのも一興か。


■ジャイアントキル

《骨の銃》を得られる布。ついでに骨の銃による攻撃に補正が付く。

効果そのものが単純なので使い方も単純明快である。問題は骨の銃の性能に満足できるかどうかだろう。また、遺産武器に比べて「生成する」というステップが生じるのも足かせになる可能性がある。逆に、生成エフェクトゆえのメリットも数多くあるので、型による使い分けをしよう。

デメリットも単純な方向性。ロールプレイにも自然に組み込めるはず。


■聖者の遺骨

攻撃力と行動値にバフを得る骨。

ジャイアントキルよりもさらに単純。単純すぎて言うことがないレベルで単純。ただ、効果量は間違いなくデカいため、堅実なバトルスタイルの時の補強材としては有益か。白兵屋の行動値をフォローする手段としてももちろん有効。ただ、爆発力には欠けるため、範囲攻撃や連続攻撃などでメリットを生かした戦法を取りたい。

デメリットもわかりやすくRPもしやすい。ただ、ぼやっとしているため妄想力を働かせないと「…?」ってなりがち。


■欲望の姫君

《砂の刃》《クリスタライズ》を得られる宝石の果実。

RC型モルフェウスのキモといえるエフェクト2つを得られるのでつまみ食いスペックが非常に高い。ただし、クリスタライズは砂の刃との組み合わせでしか使えないため、別の起点エフェクトを用意する場合には組み合わせミスに注意。

RPデメリットは設定次第でいくらでも楽しめる類。一方で侵蝕上昇はHR掲載の中で頭一つ抜けている。100%エフェクトを得られる対価か。


■夜の小鳥

《陽炎の衣》《光と闇の眼》を得られることりちゃん。ついでに隠密状態のときにバフを得る。

ダブルクロス界随一の謎エフェクトである光と闇の眼が付属すること以外は言うことがない。こいつのせいで侵蝕がなんか増えてる。隠密型のエースとなる遺産であり、隠密であること以外にバフの条件がないため、戦闘時でもないのに隠密しようとする小鳥保持者が後を絶たないとか。

ユニークなデメリットを持つが対策が容易なため心配することはないだろう。ただ、ここぞというときに足元を掬われる危険性もある。周囲のフォローに期待しよう。




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