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・AI時代の「超」発想法のポイント(その1)

『AI時代の「超」発想法』が2019年9月19日にPHP出版社から刊行されました。
 これは、そのポイントを抜き出したものです。


・先進国における製造業の比重が低下したことがアイディアの価値を高めた。

・情報技術の進歩に伴って、アイディアの重要性が増している。これまで人間でなければできないと思われていた仕事がAIで代替されるので、人間はアイディアを出すのが主要な仕事になる。

・AIが進歩しても、人間の創造力を超えることはできないだろう。AIが進歩した世界では、人間の創造活動の重要性はさらに高まる。

・猿にタイプライタを叩かせれば、いつかはあらゆる文章を打ち出す。しかし、可能な文章の総数はあまりに多すぎて、そのすべてをチェックするのは不可能。

・人間の脳は、無意味な組合せを排除する能力を持っている。あらゆる知的活動で重要なのは、「無用のものを試みないで捨てる」という直観力。

・無益な組合せは、有能な発見者の精神には浮かばない。意識に現れるのは、真に有用な組合せとその候補だけ。

・きわめて多数の組合せの中から有用なものを選びだすのは、審美的な感覚。

・審美的感情は、成功の記憶によって形成される。

・ある問題について考え続けていたために、偶然からのできごとがきっかけとなって、大発見に導かれる。

・考え続けていれば、周囲の状況を吸収する能力が高まり、きっかけを掴むことができる。発想の条件は、考え続けること。

・意識的な活動ののちに、無意識的な活動が生じる。その結果が「啓示」となって現われる。

・無意識活動は、意識のごく近くにある「控えの間」で行なわれるらしい。

・アイディアが生育してゆく過程は、没頭期、潜伏期、啓示期に分けられる。

・発想法は、数学などの学校の授業ですでに習った。また、遊びを通じても、発見のプロセスを身につけた。

・発想の方法は、無意識のうちに使えるようにならないと、役に立たない。

・数学の問題は、過去に解いた問題パタンに当てはめて解く。発想一般ついても、これが最も強力な方法。

・物理学では、「新しい問題をすでに解決済みの問題に焼き直せ」というのが基本的な方法論。

・暗い夜道で車のキーをなくしたら、近くの街灯の下を探すのが最も合理的。新しい問題を解くには、まず古い方法を使う。

・模倣の対象を誤ってはならない。また、模倣に留まっては進歩がない。

・私の経済学の指導教授は、特別な思考回路を用いて、ステップを踏まずに直感的に結論を導くことができた。

・問題をある枠組みで考えると、複雑な計算などなしに結論にジャンプできる。物理学ではとくに有用な方法。

・現実を単純化・抽象化して近似的に記述する「モデル」が、多くの学問分野で基本的な働きをしている。

・本質的でないものを切り捨てて現実を近似するのが、モデル構築のポイント。ガリレオは、空気抵抗を切り捨てることによって、正しい世界認識に到達できた。

・抽象的なモデルで記述することによって、一見無関係な分野の研究結果が応用できることがある。

・「モデル」という概念は、ビジネスにおいても大変重要。

・比較優位の原則など経済学のモデルや法則も、ビジネスを考える際に重要な指針になることがある。

・カードの並べ替えなどの方法は、「モデル」の意義を軽視している。

・求める解から逆向きに考えることで、有用な結果がえられることがある。

・図を描くのが有用なのは、幾何に限ったことではない。モデルを図示するのは、とりわけ重要。

・具体的なケースの観察から一般的なルールを見出す「帰納法」も、発見において重要な役割を果たす。

・数式を理解するには、係数の値として特殊な場合を考えて見るとよい。

・人間は、子供の時の遊びを通じて、さまざまな発想の訓練を行なっている。

・遊びは発想の準備段階。子供の時の遊びの経験は、大人になってから発想をするための必要条件。

・現代の日本では、遊びの場も道具も相手も失われている。また、低学年での受験が子供の遊び時間を奪っている。これは、日本にとって深刻な危機。

・考えていれば必ずアイディアが生まれるとは断言できないが、頭の中を材料で一杯にしておけば、何かのアイディアが出てくる場合が多い。

・仕事に関連する情報をどの程度の期間メモリーにとどめ置けるかは、人により差がある。私の場合は、数日間仕事から離れると、消えてしまう。発想のためには、仕事に関して「現役」である必要がある。

・PCを用いて文章を作成すると、自由に編集することができる。このため、メモを集積して文章を書くスタイルになった。



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