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ゲーテ、『ファウスト』第1部
『ファウスト』( Faust)はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749~1832)の畢生の大作。文字通り、ゲーテは一生を掛けて『ファウスト』を完成させました。
2部構成になっており、第1部は1808年、第2部はゲーテの死の翌年の1833年に発表されました。第1部のあらすじは、つぎのとおり。
ファウストは、あらゆる学問を極めつくした学者。しかし、「学ぶ前と比べて、少しも利口になっていない」と歎き、絶望して自殺を企てます。
そこに悪魔メフィストーフェレスが、黒い犬に変身して、ファウストの書斎に忍び込みます。
ファウストは、姿を現したメフィストと賭けをします。メフィストはファウストに仕え、魔法によって、現世のあらゆる享楽を提供する。しかし、ファウストが「瞬間」に向かって「とまれ、おまえはいかにも美しい!」(Verweile doch! Du bist so schön.)と言ったら、その時ファウストは死に、メフィストに魂を渡さなければならない。
メフィストはまずファウストを魔女の厨に連れて行き、魔女が作った若返りの薬を与えます。ファウストは、20代の青年に若返りました。
町で出会った素朴で敬虔な少女マルガレーテ(通称グレートヒェン)を一目見て恋に落ちます。彼女を罠にかけ、たぶらかし、身ごもらせます。
グレートヒェンは、逢い引きする時間を作るために母に飲ませた睡眠薬の分量を誤り、母を死なせてしまいます。さらに、子供を身籠もります。ファウストは、グレートヒェンの兄ヴァレンティンを決闘の末に殺します。
メフィストはファウストを、魑魅魍魎の饗宴、ヴァルプルギスの夜へ連れて行きます。そこで、ファウストは、苦しむグレートヒェンの幻を見ます。
グレートヒェンは、産まれた子を、沼に沈めて殺してしまったのです。そして、嬰児殺しの罪を問われて牢獄に投じられました。
ファウストは、メフィストと共に獄中のグレートヒェンを助けに駆けつけます。しかし、彼女はファウストの背後に悪魔の影を見出して脱獄を拒否。
ファウストは彼女を牢獄に残し、メフィストに引かれてその場を去ります。
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「あなたは無人島に島流しにされる。ただし、本を一冊だけもってよい。何を選ぶか?」というのは、昔から繰り返されてきた問いです。
私は、迷うことなく『ファウスト』を選びます。第1部と第2部の両方を持って行ってよいなら両方ですが、「そのうちどちらか」というのであれば、第2部を選びます。
私は『ファウスト』を何種類か持っているのですが、第2部ということになれば、大分昔に買って汚れてしまったレクラム文庫しかありません。
なぜ日本語の翻訳でないのかといえば、辞書なしの解読作業に挑戦したいからです。辞書がないので、わからない単語は推測するしかありません。ちょうど、ロゼッタストーンを解読するように、分かっているところを手掛かりに、分からない単語についての推測が正しいかどうかを検証していく作業になります。この作業は、いつまでも飽きないことでしょう。
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