シリコンバレーを空から見る
◆シリコンバレー企業の時価総額は、東証上場企業の4分の3
「シリコンバレー」は、アメリカ、カリフォルニア州、サンフランシスコの南40キロくらいのところに広がる地帯だ。
ここに、アップル、グーグル、メタ(旧フェイスブック)が本社を構えている。
このほかに、シスコシステムズやNVIDIAもある。
これらの企業の時価総額の合計は、4.36兆ドルになる。最近の為替レートで換算すると、514.6兆円だ。
一方、東証一部上場企業の時価総額は、672兆円である。
だから、シリコンバレー企業の時価総額は、この76.6%ということになる。
この場所だけで、日本の上場企業の約4分の3の経済活動が行われていると考えることができる。
ここは、まさしく「新しい世界の中心地」なのだ。
◆アップル・スペースシップ
シリコンバレーという名を知らない人は、多分いないだろう。
しかし、そこを訪れた人は、そんなに多くはないと思う。
「よく知られているが訪れた人は少ない」というのは、僻地の観光地ではよくあることだ。しかし、経済活動の中心地ではあまりない。
こうしたことになってしまうのは、シリコンバレーが大都市ではないからだ。
そこで、バレーを、グーグルマップで見てみよう。ストリートビューで歩くのはあまりに広すぎるので、航空写真で見るのがよい。
これが、「アップルの新しい本社ビルApple Campus 2」 。
まるで、巨大な宇宙船が地球に舞い降りたようだ。実際、これは、アップルスペースシップ」とも呼ばれている。
この建物は、直径が約490メートル。ワシントンにある国防総省のビル、ペンタゴンよりも大きい。東京ドーム約6個分のサイズ、収容人数は約1万4000人。
建物に囲まれたアップルパークは、森のようだ。画像を拡大してみると、それを実感できる。
このようなビルを建設できる企業は、世界中にアップルしかないだろう。同社が時価総額で世界トップであることが、このビルを見ていると、納得できる。
◆ グーグルプレックス
ここは、「グーグルプレックス」。
グーグルの本社だ。
総面積は4.7万平方メートル。ここには、オフィスのほか、公園、世界中の料理を提供する無料の社員食堂、フィットネスジムやサウナなどもある。「ブティックホテル」を意識し、「街の広場」のような雰囲気となるよう設計したと言われる。
この動画を見ると、雰囲気がよくわかる。
◆ 観光地のようなメタの本社
これは、「メタ(旧 フェイスブック)の本社」。
大学のように、「キャンパス」と呼ばれている。
キャンパスの周りは、サンフランシスコ湾沿いの湿地帯。近くに店はなく、車でかなりドライブしなければならない。
そこで、レストランはもちろんのこと、それ以外の店もこのキャンパス内にある。つまり、ここは、フェイスブックの本社というより、1つの町になっている。誰でも入ることができるので、観光客もかなりいる。
YouTubeにある この動画 を見ると、説明されないかぎり、どこかの観光地にある町だと思うだろう。
私は2004年から05年にかけて、シリコンバレーにあるスタンフォード大学にいた。そのとき、アップルもグーグルもすでに大きな注目を浴びていた。アップルはiPodの発売直後。グーグルは、IPOを行なった。
両社の本社は、いずれも斬新な建物ではあったが、異常というようなものではなかった。
いまの両社の本社は、まさに異常なものだ。それほどまでに異常な成長があったことの結果だ。
このような異常な風景が展開している地域は、世界中でシリコンバレー以外にない。
◆スタンフォード大学
では、シリコンバレーとはどんなところなのか?
サンフランシスコから高速道路280号線で南に50kmくらいのところに広がる地域。「バレー」というが、サンフランシスコ湾に面したところで、遠くに山が見える程度だ。
280号線は「世界で一番美しい高速道路」と言われる。沿線には、湖など美しい自然が広がる。
この写真 は、スタンフォード大学の近く。
左の丘陵の上に、電子望遠鏡のパラボラアンテナが見える。
これが スタンフォード大学中心部。
写真の中央上方の卵形のサークル(スタンフォード・オーバル)から南(写真上方)に進むと、パロアルトのダウンタウンになる。
東(写真左方)に進むと、「サンドヒルロード」がある。これに面した「オーククリーク・アパートメント」に1年間住んでいた。
敷地内にプールが見える。
ストックファームロードから、「ディッシュ」のある丘に登り、歩いて戻ってくると1時間くらいになる。
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