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貧乏サラリーマンが見た世界371

市場の動きは事前にはわからない。足元は円安と株安の流れである。個人的には保有金融資産の15%を占める外貨預金の円評価残高が増えている一方で保有日本株の円評価額が大幅減となっており、全体としてはマイナスである。今年5月の東京都消費者物価指数速報値は全体としては前年同月比2.2%増ながら、生鮮食料品は9.1%増であり、エンゲル係数の高い庶民にとっては生鮮食料品が物価の実感であり、インフレで生活は苦しいということになる。年金生活者にとっては令和6年度の年金支給額2.7%増では焼け石に水である。岸田総理が打ち出した8月~10月の物価高対策としての電気代の追加補助金と秋の経済対策の一環としての住民税非課税世帯への給付金5万円は是非実現してもらいたい。年金生活者である自分も助かる。電気代、ガス代の高騰の原因でもあるエネルギー自給の問題は日本にとっては深刻且つ喫緊の課題ながら、その解決策が太陽光発電ではお話にならないのである。日本の再生エネルギー政策では逆に電気代はとても庶民には耐えられないといった金額にしかならない。水素社会を目指すなんて政府は馬鹿なことを言っているとしか思えない。日本は最新の石炭発電技術を持っているのに石炭焚きはG7として近々停止するのである。中国やインドなどは効率の悪い石炭発電所を使い、石炭の一次エネルギーに占める割合は依然6割弱と日本の2倍にもなるのである。日本には外交交渉力が敗戦国ゆえになく全てにおいてG7の決定に引きずられている。話を水素に戻すと現在水素の製造コストは4ドル/kgであるが、これをガスと同じ熱量単位で換算し直すと30ドル/mmbtuとなる。比較対象出来る数字にせず、庶民はわからなくとも良いという姿勢はいつもの通りである。現在LNG(液化天然ガス)として特別なタンカーで輸入しているガスの3倍強のコストになる。米国ではガスは2ドル/mmbtu程度に過ぎない。加えて水素は大量製造のための水電解装置と輸送船を開発中であり、現状では工業化学品としては使えるが大容量が必要なエネルギーとしてはとても使えない。日本は実験の場なのだが、庶民の理解は無用だと常にコケにされているのだ。そして気が付けば五公五民であり、更に増税で六公四民となる日も近い。自分に出来る事と言えば、市場の動きの後追いくらいしか出来ないが、モニターしながら、金融資産のポートフォリオを動かし、働ける限り働くしかない。現役時代のようにはもう体力的に働けないので、ボチボチではあるが、とにかく働くということである。当面は外貨を稼ぐという個人としてのミクロ戦術だ。ドル崩壊が盛んにネット空間では喧伝されているが、中東産油国の通貨は依然ドルペッグであり、香港ドルでさえドルペッグを維持しているのである。日本の石油ガスに依存した現在の輸入エネルギーシステムを考える時、結局は対ドルで弱い(安い)ということは大問題なのだ。どうも政府は口先だけで真面目に円安を止めようとはしていない。日本は変動為替相場制をとっているので、理論上為替は市場に任せるしかないのだが、そうは言ってはいられない状況だと思う。個人的には外資のコンサルタントとして稼いだドルで金利を稼ぎつつ、ドル定期預金の満期が来れば売ってインフレ下の生活費の足しにするという戦術を取っている。稼いだドルは預金し、満期が来るドルは売るという単純なものだ。問題は66歳になる自分が外貨を稼ぐ能力をいつまで維持出来るかで呆けたら終わりであり、平日午前中はテレワークを続けている。


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