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貧乏サラリーマンが見た世界372

インドのプロジェクトに投資マネーを集められないか?ロンドンのボスからコンサルタントとしての仕事が舞い込んだ。インドに友人はいる。彼との付き合いはもう30年になるし、彼の結婚式にも参列した。現在彼はインド在大手銀行の社長でもある。彼は頼りになる。プロジェクト実施の地域に知人はいるか?現地州政府のトップに顔が効くコンサルタントは知っている。先ずはこの辺りから周辺情報を集めることにする。42年半のサラリーマン生活で得た海外ネットワークが自分の強みであり、昨年65歳で年金生活者となり、長年勤めた日本企業からは企業社会に蔓延る問答無用の年齢差別で放逐されたが、幸いにも長年海外事業を担当して来た自らの経歴と実績が評価され、外資から仕事を得る基盤になっている。また、たとえ日本企業が今後高齢者の雇用延長を受け入れても年金制度上、まともに働けば年金が減額されてしまうので日本企業で働くという選択肢は自分にはそもそも残されていない。なので外資で働くとなるのだが、コンサルタントでもやる事があるのは有難いし、僅かでも外貨収入があれば円安でもあり、御の字である。プロジェクトが立ち上げれば、ボーナスをたんまり貰えるので、それが動機付けにもなる。インドは今や世界最大の人口14億人強を擁する国であり、日本と違い高い経済成長を続けており、世界経済の成長エンジンとして今後とも期待されている。加えてインドはブリックス(BRICS)の一翼を担うとともにQUAD(日米豪印)にも属し、G7との連携や歴史的に英連邦も構成しており、分断しつつある世界を繋ぐ重要な国として今後益々浮上して来る可能性がある。この核保有国でもあるインドに新たなビジネス上の繋がりを作るには良い案件をボスから与えられたと思うし、プロジェクトを実現し、そこに収入の足掛かりを作れば、リスク分散にもなる。それにしても今インドを襲っている熱波は異常だ。地球温暖化の真因はわからないが、世界のあちらこちらで気温が上昇していることは事実である。現役時、中東の夏に現場で何度も経験した多湿と気温摂氏50度を超える中では長時間外に出ていたらとても生きてはいけないし、自分などは現場の事務所でエアコンを効かせ屋内に留まるしか選択肢はなかった。インドではまだまだ多くの人々がエアコンの恩恵に与かっていないのだ。インフラ投資が引き続き必要なことは明らかであり、そこから自分の食い扶持の一部を得るチャンスが今回の案件なのである。というのも日本の年金制度は団塊の世代及び団塊ジュニア世代が突出して多いという歪な人口構成となっているゆえに今後20年間で年金額を大幅に減額しなければならないようだが、この世代がいなくなれば、それ以降は様々な社会保障制度が何とかなると見られている。この団塊世代に挟まれた自分などはその影響をモロに受けるわけで日本政府は頼りにならず自助努力しかないようである。

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