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貧乏サラリーマンの見た世界382

外国為替市場はトランプさんの円安はけしからん発言の後押しもあるのか、いよいよ円高の流れだ。外貨をポートフォリオとして保有していると毎日円換算残高が減っていく。高齢者には市場が自分のポジションに対してマイナスの方向に進むと老後生活が破綻してしまうかのような不安に囚われるのだ。実際は上がれば下がるのが相場であり、一喜一憂しても仕方がないのはわかっているのだが、それが単なる数字に過ぎない評価損益だとしても数百万円単位の変動となると預金が失われたかのような気分になるのだ。円高の一方で株高となれば株式評価益がマイナスを打ち消してくれるので精神的には救われるだが、この先、日経平均株価は外資が日本株の売りポジションに転換するんだろうなあと悲観的な予想をしていたら、案の定今朝から相場は大幅安であり、金融資産残高は円安に加え株安で数百万円どころではないマイナスに向かって減じており、絶望してしまう。冷静に考えれば変動相場制下の為替市場は需給で決まる。別に各通貨の購買力の比較(購買力平価説)で決まるわけではないので現在のような円安相場では日本からの海外旅行者が現地で驚くような円換算ベースの価格差が現出する。日経平均株価は円高の流れに沿って当面は下がっていく展開になっても自分のような小心な老人には買うに買えないといったことになるだろう。今年は円安の流れで現役時代海外駐在で稼いだドルを売り、円安を享受しながら、コンサルタントとして働く外資から僅かなれどコンサル料をドルで稼げばよいと考えていたが、円高の流れとなれば気合を入れ直してコンサルタントとして働いている外資からボーナスを得るべく本気で働かなければならなくなる貧乏人がここにいる。昨秋65歳となり、非正規嘱託契約社員としても卒業後、今年から年金生活者としてだいぶのんびりとした日々を過ごして来たので呆ける前にそろそろまともに働けということなのだろう。というのも厚生年金が嘱託社員としての給料にも全く及ばないほどの金額であることは、社内研修を受け、事前に自分の厚生年金額を凡そ確認していたので分かっていた。個人としては老後生活に入るための準備にかかる資金は預金を取り崩すとして年金生活者としては生活費をいかに下げていくのかが喫緊の課題だったのであるが、それが出来なければ働くしかないのである。自分のような庶民出の労働者は、ギリシャ神話のシーシュポスのように定年というゴールに到達すると、次は嘱託として、嘱託契約が満了後の今は外資のコンサルタントとして働いている。終わりがない。シーシュポス同様永遠に岩を山頂まで運び上げるという罰を受けなければならないのが遺伝的に優秀なところのない凡人として生まれた自分が生まれた時から背負っている宿痾のようである。

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