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チェスのハメ手その1.1 ナイト・アタックへの黒の対応定跡
概要
ナイト・アタックから続く白の猛攻は対策を知って覚えると対処可能で、序盤数手でハメられて一方的にやられることは回避できます。4. Ng5以降の黒の四、五手目がしっかり指されると白のフライド・リバー・アタックとロリアタックは成立せず、互角の展開となります。
この記事ではナイト・アタックに対して黒が互角に勝負できる定跡3種の開始部分を書いています。それぞれの詳細はまた別の記事で書く予定です。
その1 ポレリオ・ディフェンス
4...d5
5. exd5 Na5
5...Na5がポレリオ・ディフェンスです。ナイト・アタックに対してこの定跡を指せば序盤で押し負けることはありません。
ほとんどの場合、六手目、七手目は以下の流れになります。
6. Bb5+ c6
7. dxc6 bxc6
黒のa5ナイトが白のb5ビショップの動きを抑え込んでいるのがポイントです。黒は猛攻を防ぎながら展開をすすめることができました。このあとは白の選択次第です。
その2 フリッツ・バリエーション
4...d5
5. exd5 Nd4
5...Nd4は不思議な一手です。つかみどころのない定跡で、解析では白有利にも関わらずいつの間にか白が不利になっていくことも多いようです。
六手目、白の最善手は6. c3で黒ナイトを攻撃とされています。これに対しての黒六手目は6...b5、6...Nf5が有力手です。Stockfishはg5マスの白ナイトを攻撃する6...h6を一押しにしていますが、これは実戦では黒が不利になることがやや多い一手のようです。
その3 トラクスラー・カウンターアタック
4...Bc5
ナイト・アタックに対し即座に反撃にでるという攻撃的な定跡です。このあと数手はハメ手対ハメ手の様相となり、ヒリヒリした攻撃の応酬となる定跡です。
この定跡は今のところ実戦ではどちらが有利かはっきり定まっていないらしく、白が対策を立てていない場合は黒有利と思われます。
一例
5. Nxf7 Bxf2+
6. Kxf2 Nxe4+
7. Ke1 Qh4+
8. g3 Nxg3
9. hxg3 Qxh1+
黒の反撃の成功例です。白のフォーク5. Nxf7を無視して5...Bxf2とチェックをかけるのが強烈なカウンターで、ここから黒は猛攻をしかけることができます。
まとめ
ナイト・アタックからのハメ手は上記3種類の定跡のうちいずれかを覚えておくと回避可能です。
もっとも堅実で互角以上に持ち込めるのはポレリオ・ディフェンスです。
序盤から激しい試合を望むならトラクスラー・カウンターアタックです。
トリッキーな動きと読み合いを好むならフリッツ・バリエーションがいいように思います。
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