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129+人の仲間たち

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「名山に暮らす味わいを伝えたい!」
そんな1人の想いに、「名山を知りたい!」という仲間が共感し、
名山まちあるきマップVer.0ができました。
           (「名山まちあるきマップ」表紙より)

名山が好きで、越してきて2年。
仕事帰りに電話すると「お腹空かしていらっしゃい」と飲み屋のお母さん、おやつを出してくれる旅館の女将とその隣でクワガタコレクションを解説してくれる主人、大半が70代越えだけど心は若く祭りに熱い青年会…

一瞬一瞬、一人一人に味わいがあり、小さな幸せを感じる名山暮らし。
この町を、人を、営みを、記し伝えたい―
心の中で思ってきたことが形になり始めたのは、一緒に楽しんでくれる仲間がいたからです。

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日記3ページ目は、このマップができるまで、3か月間のお持ち帰りについて書きます。

PLAY CITY! DAYSから始まる

名山マップづくりは、鹿児島市のPLAY CITY! DAYS(PCD)で生まれた17のプロジェクトの一つです。

PCDとは、ざっくり、

仲間と出会い、楽しみながら、わがまち鹿児島の魅力を発信する一歩を踏み出そう!というプロジェクトです。

ちゃんと書くと、

鹿児島市のまちおもい“伝え隊!”育成事業。
まちも、そこで暮らす人も、豊かになること(シティプロモ―ション=まちのファンづくり)を目的に、自分が関わっているという感覚(シビックプライド)を醸成する。鹿児島市政130周年にちなみ、130人が参加。129人の前向きな仲間と出会い、まちをよりよい場所にする一歩を踏み出そうというもの。

やってみたい!と手を挙げた17人の企画に、共感する仲間が集まり、2019年9月から12月8日の発表までを共にしました。

名山ってどこだ?

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鹿児島市の中心部からちょっと北にある名山町は、約150世帯の小さな町。「名山堀」と言われる飲み屋街には、細い路地の両脇に木造の古くて小さな店が肩を寄せ合うように並びます。おしゃれなバーやカフェも最近増え、雑誌やテレビ露出も多数。そんなにぎやかな夜の顔を持つ一方、毎朝ラジオ体操をするおばちゃんたち、立ち寄るとコーヒーを出してくれるクリーニング屋さん、「酒は進む、されど会議は進まず、されど祭り本番はばっちり」な青年会のおっちゃんたち〈写真↓〉など、朝から晩までの”暮らし”を、素肌で感じる町です。

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そもそもなぜ名山の住民に?

話は3年前、就職活動中にさかのぼります。
県外から来た私は、筆記試験や面接が続く1週間、バックパックで安宿を渡り歩いていました。ある晩、「地元っぽい店で飲みたい」と宿の女将に言ったところ、紹介されたのが「名山堀」にある「とくちゃん」でした。。。

詳しくは「鹿児島に来た話 前編後編

とくちゃんにほれ込み、「近くに住みたい」と、就職後、名山町にアパートを借りました。

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名山まちあるき隊始動

PLAY CITY! DAYSで集まった仲間たち。まずは、やっぱり、とくちゃんで飲み会をしました。

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「えーメニューがないの??」と次々出てくる料理に驚く仲間。
とくちゃんを紹介できて得意気な私。
おでんをつつきながら、
なんのためにマップを作る?どんな形にする?作ってどうする?
など、かなり突っ込んだ議論になりました。(ほぼ初対面・初名山というメンバーでしたが、打ち解けたのは、「名山って面白い、もっと知りたい」と思わせるマジックでしょうか)

まちへの宣言―全戸配布

議論の中で、一人が素朴な疑問を口にしました。
「どこを取材してどこをしないか。どう理由づけしたらいいのだろうか」
これにとても感動しました。
これから入ろうとする町への、謙虚な思いを感じたからです。こういう姿勢を忘れてはいけないなと。
「2年以内にオープン」「飲食店のみ」いろんな線引きがありますが、古さと新しさ、おしゃれなバーから電機屋さんまで、いろんなものが共存する名山の面白さをすくいあげたい。どうしよう。そんなとき、また一人が
言いました。

「『取材させてください』ってお手紙を全戸に配って、協力してくれるところから取材すればいいんじゃない?」

そうか、それでいこう。

住宅地図を片手に蛍光ペンでチェックを入れながら町を歩き、「取材協力のお願い」手紙を、民家を除く「何かしらの営みをしているところ」合計96軒に配りました。

(「ポストがなく、中に人がいるのが見える」ところが約半数を占め、手紙を扉に差し込んで立ち去るのがはばかられたため、「ちょっとすみません~」と趣旨を説明して回ることに。その結果、ざっと歩けば10分足らずで回れる小さな町も、2時間×2日間=4時間かかりました。足が軽く棒になりましたが、その場で取材ウェルカムの反応をもらい、アポまでとれるという良さがありました)

いざ取材・マップづくり!

手紙配布後、「ぜひ、うちを取材してほしい」と13軒からメールや電話をもらいました(正直、こんなに前のめりな反応をもらえると思っていなかったので、びっくり&うれしかった!)
数軒をめぐる「取材旅」を2日間開催。取材は初めて、というメンバーがほとんどでしたが、快く応じてくれる名山の人たちに支えられました。

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「“人”と“思い”が見える」という方向性で記事を書き、オンラインミーティングでコメントし合い、ブラッシュアップ。

14軒(カフェ、カレー屋、自動車整備工場、家電修理屋、ゲストハウス、バレエ教室などさまざま!)が載ったマップができました。

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マップ作りからのお持ち帰り

それは仲間です。

個人の願いに乗っかって楽しんでくれた仲間(自分の故郷のまちでもやりたくなったというメンバーも)、協力してくれたまちの人々(町内会長さんたちは私がいないところでも企画のことを言いふらしてくれていました。完成したマップを持って報告に行くと(孫の通知表を見るように)すごく喜んでくれました!〈写真↓〉)、「このマップ持って名山歩きます!」とか「私もライターやりたい!」とか言ってくれた人々…できた仲間はPCD参加者にとどまりません。そう、129人+!!!

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こんな仲間から感じた、3つのこと

1. 一人の願いもみんなの楽しみに

2. 言うは易くて強し

3.「 脚で稼ぐ」は裏切らない

自分だけ、と思うどんな小さな願いも、口に出してみると、仲間が集まり、楽しく、強くなる。仲間と一緒に地道に動き回れば、また次の仲間につながる。
そんな手ごたえを、PLAY CITY! DAYS参加者は得たのではないでしょうか。(事務局・鹿児島天文館総合研究所Ten-Labのみなさん、鹿児島市役所のみなさん、ありがとうございました!)

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名山まちあるきマップの今後について

今回はVer.0ということで、限定300部、コピー紙に印刷しました。取材先を中心に置かせてもらいます。
そして、残り約80軒を取材してバージョンアップを目指しています。一緒に歩く仲間、ご意見、ご支援、募集中です!

お問い合わせ→ meizan.machiarukitai@gmail.com

polcaご支援→ https://polca.jp/projects/JkhMJHF7mON





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