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米中の狭間、インドネシア大統領選挙の行方


①インドネシア大統領選挙とは?

インドネシアで行われる大統領を決める選挙である。
任期は5年で再選は一回で合計10年まで務められる。
「大統領と副大統領候補の組は、選挙で50%以上の票を獲得し、かつ、インドネシア全州のうち少なくとも半分以上の州で最低20%の票を得た場合に、大統領、副大統領に任命される」→それで決まらなければ上位1位と2位の決選投票となる。

②大統領選の勝敗を決める6つの島

  • スマトラ島

  • カリマンタン島

  • ジャワ島

  • バリ島

  • スラウェシ島

  • パプア島

うちインドネシアの人口の5割強がジャワ島です。
つまりジャワ島の存在を無視できないことが挙げられます。

一方で同じ島内に国境が接しているのが、カリマンタン島とパプア島です。
前者は全体人口の約6%ですがマレーシアと国境が近く、
後者は全体人口約3%ですが、パプアニューギニアとの国境があります。

現在、目立った領土問題での衝突はありませんが、
前者のカリマンタン島は首都移転先のため、
カリマンタン島の有権者の判断に注目です。

スマトラ島も全体の2割と無視できません。

また有権者にとっては現政権の賛否もありますが、
近年は約2億7,000万人の人口を抱えるグローバルサウスの1カ国が
米中のどちらに傾くかも注目です。

ジョコ大統領はインフラは中国に依存しつつも、
安全保障は米国に近い選択をとっています。
また昨年のG20の議長国を務め、ロシアによるウクライナ侵略下でも
一致した声明文をまとめあげることができ、
卓越した外交でのリーダーシップもあります。

しかしジョコ大統領は任期満了により退き、
今回は現政権の継承か?それとも政権交代かの
選択となるでしょう。

③候補者紹介(予想される顔ぶれ)

1.ガンジャル・ブラノウォ(53歳) 中部ジャワ州知事
2.ブラボウォ・スピアント(70歳)国防大臣
3.アニス・バスウェダン(53歳)ジャカルタ州特別知事

④注目はジョコ政権

やはり注目はジョコ政権の賛否でしょう。
まずガンジャル氏は事実上のジョコ路線の継承であって、与党支持層固めで当選を狙うでしょう。

一方で反ジョコといえば国防のブラボウォ氏です。
過去2回、ジョコ大統領に大統領選で敗れ、
今回はジョコ大統領が任期満了で出馬できない中、
反政権票をまとめあげるかが問われるでしょう。

最後にアニス氏です。アニス氏はジョコ政権の閣僚経験者ですが、野党推薦でジャカルタ知事となり、
今回は首都の力とネームバリュー、無所属であることをどう活用するかが課題です。

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