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相対的貧困とは何か?政府がやるべき対策とは?


相対的貧困率の定義と現状

相対的貧困率は、ある国や地域内の
経済格差を測る代表的な指標の一つです。

具体的には、所得がその集団の中央値の半分に
達しない人々の割合
を指します。

一方で絶対的貧困はこちらの文章です。

絶対的貧困とは、人間として最低限の生存を維持することが困難な状態を指します。 飢餓に苦しんでいたり、医療を受けることがままならなかったりする人がこの状態に当たります。

出典:公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン 2019/3/1 相対的貧困とは何か?

・絶対的貧困:
人間として最低限の生存を維持することが困難な状態
・相対的貧困
所得がその集団の中央値の半分に達しない人々の割合

ここでいう所得とは、税金や社会保険料を除いた手取りの収入を
世帯の人数で調整した「等価可処分所得」を基準にします。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、
貧困線は直近の2021年に127万円でした。

2025年には賃上げの効果もあり、
140-150万円のものもありますよね。

この年の日本の相対的貧困率は15.4%で、
30年前と比較して1.9ポイント上昇しています。

経済協力開発機構(OECD)のデータによると、
米国は21年に15.1%、英国は20年に11.2%であり、
日本はこれらの国と比べても
国内の経済格差がやや大きいことがわかります。

本当に大事な人に分配を目指し届かせることが
求められます。

子どもの貧困の現状

日本での子どもの相対的貧困率は、
2012年に16.3%とピークを迎えましたが、
2021年には11.5%に減少しました。

それでも、子どもがいる世帯で大人が一人だけの場合は44.5%と非常に高く、
大人が二人以上いる場合の8.6%を大きく上回っています。

これは、ひとり親世帯が経済的に苦しい状況に置かれていることを
示しています。

ひとり親は働き方が制限されるため、
生活が困窮しやすい傾向があります。

先日、裏金問題にフォーカスが置かれていましたが、
実は子供の貧困対策改正法が成立しています。

子どもの貧困対策を強化するため、民間で活動する団体への財政支援を充実させることや当事者の意見を踏まえた対策の実施などを盛り込んだ改正法が成立しました。

改正法は、子どもの貧困対策を議論する超党派の議員連盟がまとめたもので、19日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

出典:NHK 2024年6月19日 “子どもの貧困対策”改正法が成立 民間団体への財政支援など

2019年に内閣府が公表した調査データによれば、
日本における子どもの貧困率は7人に1人
ひとり親世帯では約半分にまで増加しています。

また、厚生労働省の2022年の調査データでは、
ひとり親世帯の中でも母子家庭の平均就労年収は
236万円(父子家庭は496万円)と、
特に母子家庭が厳しい経済状況にあることが分かります。

子供を持つ片親の貧困を是正するためにも、
政府主導の様々な支援が求められ、
相対的貧困に対するアプローチが必須でしょう。

教育格差と体験格差の拡大

近年問題視されているのが、経済的要因による子どもの教育格差や
体験格差の拡大
です。

貧困家庭の大学進学率や、習い事やクラブ活動への参加率は
全世帯と比較して低い傾向にあります。

これにより、貧困家庭の子どもたちは、
学びや体験の機会を失うことが多くなっています。

特に困窮というワードは
大変厳しいものでしょう。

以下の朝日新聞の記事においては
思わず心痛む記事でした。

同法人は今年5~6月、支援する家庭を対象にインターネット上でアンケートを実施。この時期の調査は今回で3回目で、1821件の回答を得た。回答者の9割が母子世帯で、今年の世帯所得の見込みを「200万円未満」と答えた家庭が約半数、「300万円未満」とした家庭が8割を超えた。

出典:朝日新聞デジタル 2024年7月1日 1食110円が4割強 物価高、困窮の子育て家庭「子どもが貧血に」

本当に必要な人の声を聞くことは
果たして今日の政治や経営者が果たしているのか?

問い続けなければならない。

相対的貧困の見えにくさ

相対的貧困は目に見えにくい特徴があります。

例えば、衣食住に困る絶対的貧困とは異なり、
相対的貧困では基本的な生活はなんとか成り立っているものの、
社会的な孤立や生活水準の低下が問題となります。

先進国の悩みですが、この割合は決して無視はできない。

年間127万円という収入では、
公立学校に通えても制服やランドセル、修学旅行費用
を捻出するのが難しく、
生活必需品の購入や冠婚葬祭の費用を捻出することが困難です。

教育格差と貧困の連鎖

教育格差が広がることで、貧困の連鎖が生まれることが
問題視されています。

親の所得格差が子どもの教育格差に影響を与え、
その結果として将来の所得格差が拡大するのです。

これに対して、国や自治体はさまざまな対策を講じていますが、
まだまだ不十分な部分も多いです。

例えば、全日制高校に通う子どもがいる年収910万円未満の世帯には、
公立高校の年間授業料を支給する制度がありますが、
私立高校や大学については、
所得制限を設けたうえでの無償化が議論されています。

しかし、大学の授業料については、在学中は支払いを求めず、
卒業後に一定以上の所得が得られたタイミングで
返還を求める「ツケ払い」方式も提案されていますが、
これに対しては批判もあります。

個人的に私は東京都知事選もあり、
東京都の高校授業料の無償化が
地域との分断と格差も意味あって、
全国化すべきではないかと感じます。

東京都は高校の授業料について支援の所得制限を撤廃して実質無償化しました。保護者が都内に住んでいることで都外の私立高校に通っても対象となりますが、都内の高校に通う隣県の生徒は無償化の対象ではなく不公平ではないかという意見もあります。

出典:NHK 2024年5月9日 東京都の高校授業料無償化 神奈川 埼玉 千葉 知事の要望は?教育の質の向上どうする

教育の無償化は全国化するかが問われます。

それが子供を持つ片親の相対的貧困率の解消にも
つながるのではないでしょうか。

社会的な支援と今後の展望

こうした問題を解決するために、
国や自治体ではひとり親世帯をサポートするための
様々な支援制度が用意されています。

例えば、児童手当や生活保護、障害児福祉手当、特別児童扶養手当など
があります。

また、各自治体では独自の支援制度もあり、
千葉市:母子家庭等高等職業訓練促進給付金
新潟県:ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
京都市:ひとり親家庭等日常生活支援事業
などがあります。

ただ相対的貧困を改善できるかは
まだまだやることがあるでしょう。

社会全体で支える必要性

貧困問題を解決するためには、
家庭だけでなく社会全体で支え合うことが必要です。

地域や学校、専門機関と連携し、
子どもたちが安心して過ごせる場所を提供することが重要です。

また、貧困家庭を支援するための寄付やボランティア活動など、
個人でもできることがあります。

そうした1つ1つの行動が、
相対的貧困を減らすことであると信じたい。

まとめ

相対的貧困は、社会全体の問題として捉えるべき重要な課題です。
貧困家庭の子どもたちが教育や体験の機会を得られるようにするためには、
国や自治体の支援だけでなく、地域や個人の協力も欠かせません。

貧困の連鎖を断ち切り、全ての子どもたちが未来に希望を持てる
社会を築くために、私たち一人ひとりができることを考え、
行動することが求められます。


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