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【都知事選】多摩格差の現在地、東京23区外の政治の声を聞け


23区と23区外の格差

「多摩格差」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは東京都の西側に位置する多摩地区と、
東側の23区との間に存在するインフラの格差を示す言葉です。

しかも人口の3分の2は面積の小さい23区に住み、
残りの3分の1は広大な面積の23区外に住みます。

23区に住むのと住まないとでは、
住民の声も苦悩も違います。

2016年、小池百合子氏が都知事選で「多摩格差ゼロ」
公約に掲げたことから広く知られるようになりました。

今回は、多摩地区と23区との格差の現状、都の取り組み、
そして4年前の各知事候補の主張について掘り下げてみます。

最後まで読んでいただきたいです。

多摩の苦悩

多摩格差の背景

多摩地区は東京都の人口の約3分の1を占める400万人以上が住む地域で、
面積は東京都の半分に達します。

この地域は高度経済成長期に急速に人口が増加し、
インフラ整備が追いつかないまま23区との差が広がりました

東京在住の方で23区に住む方はわかると思いますが、
サマーランドやサンリオピューロランドなどに行かない限り、
多摩に行く機会は少ないでしょう。

1975年には東京都が「三多摩格差8課題」を設定し、
義務教育施設や公共下水道、保健所、病院などの整備が急務とされました。

三多摩格差8課題
1.義務教育施設
2.公共下水道
3.保健所
4.病院及び診療所
5.道路
6.図書館・市民集会施設
7.国民健康保険税
8.保育料

2001年に東京都が策定した「多摩の将来像2001」では、
義務教育施設や公共上下水道、道路などの格差は
「かなりの部分で解消」されたとされています。

それでも「多摩格差」の定義は明確ではなく、
語る人によって内容が異なります。

例えば、子供の医療体制や中学校の給食、学校教室へのエアコン設置率、
無電柱化の比率などが挙げられます。

また個人的には電車やバスといったインフラも、
未だ課題でしょう。

小池知事の取り組み

小池知事は「多摩格差はかなり解消されている」とし、
地域ごとの課題に取り組む姿勢を示しています。

具体的には、周産期医療の充実無電柱化の推進に力を入れているとしています。

一方で、2017年9月に策定された「多摩の振興プラン」では、
暮らしやすいまちづくりや交通ネットワークの
充実強化などが掲げられていますが、
具体的な数値目標に基づく達成度評価は含まれていません。

しかしそもそも多摩格差の定義ははっきりされておりません

理由は単純で多摩の間にも大きな格差があるからです。

多摩東部には吉祥寺や三鷹があり、
西部には多摩市や町田市などがあります。

いわゆる中でも都市型の多摩と奥多摩を一概に比べてはなりません。

だからこそ実は定義が曖昧なのです。

多摩格差の現在地

現時点での多摩格差は、具体的には交通インフラ医療体制に見られます。

例えば、JR中央・青梅線にはホームドアが設置されておらず、
精神科病院が多摩地区の山間地に偏在しているといった問題があります。

なお新宿や新小岩には様々な事情から設置しています。

また、給食費無償化の取り組みに関しても、多摩地域の26市のうち、
12市が無償化を進めていますが、残る14市では予算の都合で
無償化に踏み切れていません。

ここが財政豊かな23区との違いです。

以下、NHKの一部を抜粋させていただきます。

公立小中学校の学校給食費をめぐっては、物価高騰などを背景に東京の特別区が去年4月以降、相次いで無償化してきました。多摩地域で今年度当初から実施しているのは奥多摩町と桧原村の2つのみで、ほとんど進んでいませんでした。

こうしたなか市長会と町村会は去年12月、東京都に対し、地域間格差の是正を求め、都は、区市町村が給食費を支援する場合、その半分を負担する費用として239億円を盛り込んだ新年度の当初予算案を1月に発表しました。

出典:NHK2024年2月16日
 東京都 給食費無償化 多摩地域の公立小中学校は?自治体の対応まとめ

これに対して、東京都は給食費の半額補助を実施していますが、
それだけでは不十分だという声もあります。

なぜなら23区と区外では税収の差が大きいからであり、
比較的豊かではない東京の地域では
無償化には踏み切れない実情があります。

都知事選では多摩格差を述べよ

もし都知事選で立候補される場合は、
ぜひ多摩格差について論じていただけると嬉しいです。

23区と区外ではインフラも企業数も違います。

スタートアップやVC、外資系の多くは23区です。

23区外の声に注目されることを期待しております。


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