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珍しく絵の制作過程をのっける

雪町です。今日は要望があったのでタイトルの通り上の絵の制作過程をのっけます。正直イラストを誰かに習ったとかではないので間違ったことをばんばんやっていそうで恐れ多いのと恥ずかしいのとなので極力こういうのはやりたくないですね。

1.線画までこぎつける

絵によって線画を描いたり描かなかったりするんですけど、今回は人工物がメインなので線画から入ります。いつもは線ラフ→色ラフ→線画の順で仕上げていくのですが今回の絵は画角が広いためまず構造を決める線画から仕上げます。

まずは絵のイメージから固めていきます。舞台は水の中に沈みゆく街のあるビルの屋上で、わけ合って外へ逃げることなくとどまり続ける人が町と一緒に沈んでいく最後の場所を表現しようと考えました。(この世界を補完するイラストもまとめてそのうちイラスト集にしたい。)屋上には室外機やパイプが張り巡らされているのでまずそれを入れ、、かつそれなりに高い場所だという認識も欲しいので同時に空を入れたいなと考えました。そういったもののシルエットのカッコよさも担保して絵に落とすのにいい構図が画角を広くとったパノラマ的な絵かなと思い計画を練っていきます。

自分で撮った室外機や屋上などの資料を参考にしつつざっくり上からの俯瞰図をおこしています。(普段はこんなことしない)本当はもっと詳細に書いてたりするのがあるんですが割愛。

いざこれを線画に起こしていくまでが死ぬほど大変でした。水平方向は樽型パースで画角が広いことを強調しつつ、基準に取っている3つの小質点をもとに室外機やそれが乗っている鉄格子を直線で近似的に描きます。ただし。鉄格子の手前側はパノラマ撮影するとき画角の端っこにあたり、水平と平行に映るので徐々に斜め方向から水平方向に曲げていき寝かせます。

2.およそ面を取ったラフを仕上げる

線画をもとにおよそ陰や影の面を取った色を置きました。陰や影の面は空の色に引っ張った青みがかった灰色を乗算で重ねることで表現しています。(この方法がいいのかはいまだに謎)。また、だいたいこんな感じというむらや汚れを平筆やチョークでラフのうちから入れておくと後々楽になります。

3.質感を足し面をさらにとっていく

平筆・チョークをベースに汚れやさびなどを描きたします。あとは自分で作成したブラシを用いてグランジを足していきます。

↑グランジを入れるときによく用いるブラシ。

4.水没させる

水に浸けていきます。まずは水につかるところを青色系のレイヤーで乗算していきます。

つづいてオブジェクトを反射させていきます。反射させるオブジェクトを描きます。後ほどぼかしたり変形させたりするのでざっくりした形と汚れのみしか取りません。ただし壁は上下反転させただけです(本当は上下反転ではだめですが目立たないから今回は良しとしました)。

ぼかして波フィルターで変形して不透明度をいじったりしていい感じにします。


4.仕上げ

キャラを仕上げたら(not shown)最後に光関連を入れていきます。

光を強調するためレイヤーのハードライトモードで黄色がかった灰色を主に明るい面と影の境目部分に入れていきます。さらに光を強調したい場合は同じ色で加算モードあるいは覆い焼き発光モードを追加で重ねます。実際の光源の位置を考えたらあり得ない光の反射ですがまあイラスト的にリアリティをもって映えたらいいかなという雑な感じで入れています。

終わりを迎える時も悲しい瞬間でも世界はきっと美しいだろうという勝手な考えのもと、シャボン玉を配置していきます。シャボン玉がすぐに割れて消えてしまうようにある種もうすぐイラストの中の世界が終わってしまうことを象徴するものです。

ノイズを加えてフィルムカメラ感を出すことで無意識的に古さを印象付けるようにします。(はたしてきちんと印象付けができているのかは疑問)。最後にシルエットを強調できるよう若干の色の修正を行います(not shown)。以上で完成です。

いやあ描いている途中は頭おかしくなりそうなイラストでした。もうちょっと描きこみの集中する場所を絞って見せ場を作りたいのと光と陰と影の関係性に対する認識がまだ甘いので精進していきたいですね、、、あとキャラクターも下手なのがどうにかしたい、、、ダメなところをあげ始めるときりがないですね(笑)。