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「贈り物の賢者」が手にするもの

2022年4月22日。
りかこが提案してくれた「お香」というキーワードがきっかけで、これまでふわふわと頭の中を泳いでいたアイデア、ふっと沸き上がった好奇心、それから過去のちょっと苦しい思い出、そして今ある環境が重なって、POOLO3期のSlack内で「シークレット香りフレンド」企画を立ち上げた。

企画の趣旨を説明するために、ちょっとしたコンセプトペーパーを書いてみることにしよう。

シークレット香りフレンドを楽しもう

目的

Do: 贈る
「相手を想う時間をつくる」
☆他者への思いやり、共感を育てる
☆POOLOメンバーをいつもと違う視点から知ることができる、相手への理解が深まる

Done: 贈られる
「自分が知らない自分を知る」
☆ 他者からみられる自分のイメージを知る
☆自分なら選ばない香り/他者に選択を委ねた香りに対する自分の反応を知る

What: お香(アロマ)
「嗅覚に意識を向ける」
☆香りを意識する生活をおくる機会、香りを言語化する機会をつくる
☆言語化することが難しいと感じる人でも、各香りのキーワードをもとに表現できる

ルール

①贈る香りは「相手が喜ぶ、元気になれるもの」
→例として(1)その人のイメージを香りに例えて日頃の感謝を伝える(2)相手の側にあってほしい香りを、相手のシーンに合わせて選ぶ(「嬉しい時」「怒った時」「悲しい時」「楽しい時」など、それぞれの生活を思い浮かべて設定してよい)

②責任をもって「贈り手」になること

③可能な限り相手を知ろうとすること

企画立ち上げ&ルール設定の経緯

2019年2月、「世界青年の船」に参加して船上生活を送っていたところ、参加者の数名が「シークレットフレンド企画」を発足した。

簡単に企画の概要を説明すると、200名近くが乗船するこの船の上で、それぞれがくじ引きで選んだ人に対して「シークレットフレンド」となり、小さなサプライズをするという企画だ。

大学生の時、文化人類学のゼミにいた私は「贈与」という行為について魅力を感じていたし、その輪の中に入ることがとても楽しみだった。

私が選んだくじに名前があったのは、一度も話したことがない人。でも、相手の国のことは大好きで、一度話してみたいと思っていた人だった。

船上生活だから、贈り物を準備するのに選択の制限はあったが、自分なりに相手に喜んでもらえそうなものを準備し、手紙と一緒に相手が生活しているキャビンの前にこっそり置いた。

ところが、何時間経っても贈り物はそのまま置き去り。
気になって何度もキャビンの扉の前を通り様子を確認するが、変化は無いようだった。

変化がないので、一旦置いてきた贈り物を回収することにした。すると、贈り物の表面に見慣れないメモ用紙が貼り付けられていた。

本人からの手紙によると、中身も見ずに「受け取り拒否」。

理由は、

①迷惑

②名前もまともに書けなかったやつから受け取りたくない
(私は、あろうことか贈り手の名前のlとrを間違えて書いていた。)

ただそれだけの事実だったけど、期待と楽しみで気持ちがいっぱいだった私は、突然真っ暗な箱の中に押し込められた気分がした。おまけに、私は誰からも贈り物をもらうことはなかった。私のシークレットフレンドはいなかったのか、シークレットフレンドの役職を放棄したようだ。

そこから、「交流に前向きな人達だけが集う世界にも、悲しみは生まれる」ことを知った。それはそれは当たり前のことだけど、経験主義の私はようやく頭と体で理解した。
(なんか文字に起こしてみるとしょーもないね。今はいい思い出。)

せっかく素晴らしい企画だったのに、参加者の意識、態度、行動によって、それが誰かの悪夢に成り代わる。せっかくだったら、良いものはより良いように転換していきたい。

きっとPOOLOメンバーとなら、ステキな企画になるだろうな~

そう思ってやってみることにした。

そして、もしかすると当時の私は「贈り物の賢者」ではなかったのかもしれない。
『賢者の贈り物』

※文化人類学で「贈与」を学ぶと、まずこの寓話に触れることはマストかも…?これ一つで議論し放題。

まずは何よりも香りを「感じる」「楽しむ」!!!


アドバンスとして。他者に思いを馳せる、他者を思いやる。

その豊かさをぜひ体感する機会になったら嬉しいな~


「思い」の先に、何があるかな。

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