シロナガス島への帰還 ネタバレなし感想とあり感想!

シロナガス島への帰還 感想
HPはこちら
https://tabinomichi.jp/shironagasu/
 

2021年8月29日
シロナガス島への帰還というゲームをクリアしました。
一言で、とても素晴らしいゲームでした。
作り手の情熱や、楽しんで作ったんだなという気持ちがこれでもかと感じられて、しかもそれがちゃんと面白さに繋がっている、傑作でした。
(私はクジラが生理的にダメ(怖い)なので、タイトルで出てくるかとびくびくしてましたが、出てこなかったので良かったです。)

グロは大したことないのですが、描写としてちょっとしんどいところまで踏み込んでいるのでそこでウっとなる人はいるかもしれない。
ホラーもそんなに怖いわけではないのですが、びっくりする箇所がいくつかあります。
ワイは四回くらいマウス投げた。
 
ジャンルとしてはミステリー、サスペンス、ちょっとのホラーといった感じのADVですが、全編通して非常にテンポが良く、またテキストもクセがない為ダレずに最後までプレイできました。個人的にジャンルに関しては100点満点の構成だったのですが、これは下記のネタバレありの方で書きます。

序盤は程よいホラーと不穏感を煽る演出が多く一気に引き込まれます。
この先はどうなるんだろう…怖いけど気になる…といった感じで読み進めてしまいます。
中盤からはガラッと雰囲気が変わり怒涛の展開へとなだれ込みます。
ガラッと雰囲気は変わるのですが、序盤から少しづつ描写を差し込んで匂わせてくるので唐突感や違和感も少なくうまくスライドしており非常に上手い構成だな、と感じました。
 
とにかく登場人物が魅力的、かつキャラ付けがなされているので、誰が登場しても面白くプレイできました。

登場人物評
・池田 戦
主人公のイケオジ。ニューヨークで名の知れた私立探偵。探偵なので作中の推理描写や荒事にも対応できる冷静さに説得力が増す。
性格はちょっと格好付かないハードボイルドだけど、危険なことには率先して自ら調査する、ジョークが下手、親しみやすい、頼りになると年下の女性殺し。ただ本人があまりそういったことに興味を示さないので甘い雰囲気になることも少なく終始頼りになる大人で完結していたのが良かったです。
 
・出雲崎ねね子
もう一人の主人公。クソド陰キャコミュ障風呂に入らない臭いかわいい天才少女。完全記憶という能力を持ち、池田戦の助手兼相棒として活躍する。活動派、論理的だが特別な能力を持たない戦を、記憶力と知識でサポートする陰キャ少女という組み合わせ、良い。要所要所ですさまじいヒロインぢからを発揮してくるのでかわいい。

・アキラ・エッジワース
ツンデレお嬢様。かわいい。こういうつっけんどんなキャラクターが危機に瀕して成長するのはいつ見てもいいですね…
ただこの作品、敵も味方も皆大体危機に瀕して成長する…
 
・ジゼル・リード
アキラの付き人。メイドではない!多分メイド服も似合いそう。
いいですよね…クールな褐色美人…
脱いだら腹筋バキバキとかだと嬉しい(自分が)
 
・リール・ベクスター
内科のねーちゃん。ヒロインムーブしてくる。まぁ、戦と年の近そうな女性がこの人しかいないから必然的にアダルト枠を担当する(別にそういう描写はない)
検死を担当できる枠なので大変貴重。

・アウロラ・ラヴィーリャ
かわいい!!!!!!!!!!!!!!!!
 
・ジェイコブ・ラトランド
ミステリーによくいる引っ掻き回す粗野な男枠。何かを知ってる風で具体的なことは話さない。個人的に印象は悪くないですが、まぁ、うん…最後まで印象いいかは…うん…
 
・トマス・ハリントン
影は薄いのに印象は強い。

・アレックス・ウェルナー
かわいいんだよなぁ!!!!!!!!!!!!!!!
 
といった雑感です。
まぁキャラは深く掘り下げたらネタバレになるので適当に。

これだけの熱量をぶち込んだ作品がたったの¥500…やすすぎる…
買おう!やろう!!シロナガスとへの帰還!!

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ここからはネタバレありとなります。
 


 
上にも書きましたが本当に面白かった。
久しぶりにADVでここまでハマりました。
というかアウロラがあまりにも尊すぎてめちゃくちゃ感情移入してしまった…
 
ストーリー的には皆さんどうなんでしょう?
個人的には序盤のミステリーパートも中盤からの怪物が出てくるホラーパートも、終盤のSFパートもうまく構成されていて面白かったと思うのですが。
というのも序盤からしっかり伏線を撒いているので唐突感がないのですよね。
プロローグで既に仮想現実を匂わせてSF要素を察せられるようになっていたりと。
ただ、シロナガス島の悪魔に関しては本当にいるのかよ!!とは思いました。
てっきり幻覚とか仮想現実の中だけの存在かと思っていた…
その上で構成としてはうまくジャンルを分けてミックスしていたように感じます。
詳細は下で。
 
まず、上記で書いた構成が100点満点という点。
これはこのゲームの構成がミステリー、サスペンスとしてのパートと、ホラー、SFのパートに分かれている点です。
よくあるミステリーだと思って大真面目に推理していたら怪異が絡んでいました、なんてことはありません。
物語全体の真相と、殺人事件そのものは分かれていて、動機が繋がっているパターンです。
これによって殺人事件は殺人事件として推理することができます。
この構成は本当に素晴らしい。
おそらく作者様がめちゃくちゃ気を付けて繊細に作ったんだろうな、と感じます。
これのおかげもあり、中盤から終盤の展開にも不快感がなかったのだと思います。
これが全部怪物を利用しての殺人ならおそらくここまで評価されてなかったと思います。
 
また、ジャンル内に恋愛要素を取り入れていないのも読んでいてテンポがよかった部分ですね。
何人か戦に淡い感情的なものは抱いているのでしょうがそこはフォーカスされず、どちらかというと信頼寄りで描写されているのでくどくないんですよね。
それでもって戦が女好きでも、女性を軽視するわけでもなくすごくフラットに接するので不快感が全くない。
ただその中でねね子だけはお互いすごく踏み込んだ信頼関係を築いているのでそれがまた良い。ねね子まじかわいいんすよ…ねね子パートとかあるbadendとかほんとねね子最高のパートナーなんだよな…
 
ネタバレ有人物評
・池田 戦
終始、誰かの為に立ち向かえる男でした。軽口たたきながら命張れる男。そりゃモテる。なんか終盤、異常なタフネスを有してて秘密でもあるのかと思ったら単純にフィジカルが強いだけだった…
大人の男性に憧れてしまう年齢の少女を狂わせる要素満載の男…
 
・出雲崎ねね子
あまりにもかわいいしあまりにもいい女。腹をくくれば命だって張れる最高のパートナー。
上でも書いたけど戦とは何物にも代えがたい信頼を築いており、本質は非常献身的、な気がする。
…腋毛は性癖が過ぎる。

・アキラ・エッジワース
成長枠。生存枠。ねね子との百合枠。
高飛車なだけだったお嬢様が責任と覚悟を持つお話。
気が強く、聡明で、誇り高いお嬢様とか最強じゃん…とか思うんだけど、表面上はそう変わらないのがまたいいよね…
 
・ジゼル・リード
殺人事件サイドの真犯人。
過去にシロナガス島で赤リボンとして大人たちの玩具にされていた少女。
とにかく過去が重い、というかゲームとしての主人公は戦だけど、物語としての主人公はジゼルだと思う。
アウロラとの関係が特にフォーカスされていたけれど、アウロラ以外の少女達も本当に大切に想っていたのが良かったです。
 
・リール・ベクスター
ぽんこつでは!?実は特殊工作員だった人。
…割とぽんこつでは!!!?
情に絆されやすいかわいい人。特殊工作員なのに。
生き残っていれば戦とくっつきそうな感じがしたけど、戦に消えない傷痕を残して逝ってしまった…

・アウロラ・ラヴィーリャ
物語通してのヒロイン。
全ての始まり。
めちゃくちゃ不憫であまりにも優しい少女でした…
正体はなんとなく中盤辺りで察することができたんですが…真相は重かった…
ただ彼女のおかげで今がある人達もいるので本当に天使みたいな子でしたね。
あと不死の怪物にされた後も意識?というよりは意思?みたいなのは残っていたんじゃないかな?と感じました。
 
・ジェイコブ・ラトランド
うーーーーーーーーーん、キャラとしては嫌いではなかったし、過去に少女を娼婦として飼っていたのも別に設定としてはよかったんですが、日常的に赤リボンの少女をゲームと称して苦しませて殺害していたのはアウト。
そこまでいけばもう完全に死ぬべきやつ。
 
・トマス・ハリントン
まーーーじで不快なキャラクターでした。
ジゼルの記憶の中で一気に不快指数が上がったキャラクター。
上記のジェイコブはクズでしたが、こいつは少女たちを非道な人体実験に利用していながら上に言われただけだからなぁ、とかいう始末。
良心の呵責もなく、かといって悪意もない、主体性のかけらもないどうしようもない人間でした…

・アレックス・ウェルナー
くそかわいいんだよなぁあああああああああああああ!!!!!!?
女装していると思われる男装している女の子。
一番、戦にぐいぐい来そうなボーイッシュな女の子。
はじめは彼女がシロナガス島に帰還した元少女で犯人かと思っていました。
まぁ、半分当たりではずれでしたが…
過去にアウロラの心臓を移植されて、命を救われた女の子。
彼女の中にあるアウロラの心臓と、それに宿る心がシロナガス島へと、ジゼルのもとへと帰ってくるというのがタイトルの意味、だと思う。
事件後、事あるごとに戦に連絡してウザがられてほしい。
 
・ヴィンセント・スウィフト
屋敷側の執事で本作の事件の黒幕、黒幕…?こういうのは黒幕というのか…?
ウェスカーみたいなやつ。
ラスボスなのにあんまり物語上、重要なロールではなかった。

キャラクター評、以上!!!!
アレックスがとにかくかわいかったです。


本当に面白くてやめ時が見つからず、一気にクリアしてしまった…
是非とも続編プレイしたくなる出来でした。
と思ってみたら、続編の【遥かなる円形世界】も製作中なのですね。
発売したら絶対買おうと思います。
 
このゲームがたったの¥500…やすすぎる…
買おう!やろう!!(二回目)

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