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美しいと初めて思った男の人

調べものをしている最中、ついついXでTLをみてダラダラしていたとき。

トレンドに「櫻井敦司」が出ていた。

嫌な予感がする。数日前に体調不良でライブ中止のニュースをみたばかり。でも、前回はコロナだったし、その前も体調不良から復活してくれた。
だから今回も復活すると思っていた。

なのに、無情にも「急逝」の二文字が目に入った。

人間、びっくりしすぎると、頭が真っ白になるというけれど、ほんとに真っ白になる。「急逝」の意味を理解しているくせに現実を受け入れられなくて、どういう意味だっけ?と自問自答している。

そんなことをしても無駄なのだ。もうライブにいってもあの美しい人と二度と会えないのだ。

彼と初めて会ったのは本屋。

ちょっとばかしおしゃれに目覚めた中学生はお小遣いを握りしめ「MCSister」という10代向けの雑誌を買いにいった。

レイアウトが変わり、ウロウロしているときに目に飛び込んできたのが「PATi・PATi」。

顔半分しか映っていないのに目力が強烈な男の人がこちらをにらんでいる。

睨んでいるんだけれど、怖くはない。顔半分なのに目だけみて美しいと思った。

吸い寄せられるようにページをめくると男の人なのに髪の毛が長く、化粧までしている。こんなこと書くとジェンダーだのなんだのたたかれそうだが、田舎の小娘時代はそんな男の人を見たことがなかったし、同級生たちはローラースケートを履いた男子に夢中。ローラー男子はかわいいし、かっこいいかもしれない。けれど、わたしは美しい人にくぎ付けになった。

男の人はかっこいいと思っていたが、美しいと思ったのは初めてだった。

それから、MCsisterを卒業し、PATi・PATi愛読者に。ポスターを部屋に飾り、寝ても覚めてもあっちゃんを眺めた。

お母さんからは「ローラースケートのほうがいいのに」といわれ、弟からは
「ねえちゃん、趣味悪い」といわれても全く気にならない。

美しくかっこいい。

中学のころからず~っと追っかけていた老舗ファンではないけれども、ライブ情報を見つけては数年に1回は参戦して、目の保養をさせていただいた。

保養どころじゃなく、本当に視界クリア、視力アップしたような気がした。

好きな歌、好きなしぐさ、いっぱいあるけれど、それをひとつずつ語ると今夜は眠れなくなる。

いつも夢を見させてくれてありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

指先までキレイなあっちゃん。どんなメロディーもBACKTICK色に染めてしまうあっちゃん最高でした!


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