茶湯三傳集(巻之二・三)

(50 ウ)
一畳半右勝手出炉躙(にしり)点前の事
”出炉”と書かれているが、挿絵を見ると現在の「入炉」逆勝手にあたる

(54 ウ)
一、一畳半右勝手出角共、此手前点様、四畳半のことし、
”出角”は出炉、角炉
向こう切りを角炉と書いている

(55 ウ)
四畳半大見屏点の事
〜〜 一、惣して小見屏ハ七寸五歩迄を云、大見屏ハ一壱尺より弐尺二、三寸迄を云、〜〜
大見屏は柄杓の底を見屏にもたせかけ置き、小見屏は柄杓を俯けて上に掛け置く

(62 ウ)
四畳半織部堂古の事
堂古は又隠の堂古が最初であり基本。置き堂古

(63 オ)
一 此手前は悅巾計を腰にはさミ出、跡戸たて
この点前は帛紗だけを腰に挟んで茶室に入り、茶道口の戸を閉め、〜〜

(64 オ)
前の戸を明け、ひしやく・蓋置・水盈(こほし)入申而、あと戸たて、
前の戸は堂古の二枚戸のうち、手前の戸(奥の戸は「向こうの戸」)
あと戸たて、は後で戸を閉めて、

一 三畳大ニ此堂古左右トモに有り、
三畳大は三畳台目

(64 ウ)
一 一畳半に此堂古左右トモに置、
今日庵には一畳台目に堂古がある

(65 オ)
四畳半炉台子の事
一、此手前ハ悅巾腰ニはさミ出、下ニ居、腰を立て、茶入・茶碗をおろし、
下ニ居、腰を立て、は少し腰をあげないと台子の上の棚に手が届かない

(68 オ)
〜〜 茶碗帰ると、ふくを見、いきを聞、下ニ置、時
客が飲み終わった茶碗が帰ってくると茶碗を取り込み、点て具合を見て、茶の残香を聞き、下に置く

(70 オ)
台子本勝手手前の事
〜〜 時宜云、〜〜
礼をすること

巾ひ、(読み;ぬぐい)

(71 オ)
一、台子も真草の手前有、〜〜
「和泉草」(藤林宗源・石州):台子の真行草を書いている
「草人木」:台子は上の八段(真)、行の八段、下の八段(草)
長板があってから台子が生まれた。台子の天板が長板になった説は誤り

(73 ウ)
貴人□答(あいしらい)の事 

(76 オ)
古壺は位が高い(茄子、文淋、丸壺)から盆点にできる
茶入は位が低い(肩衝、しりふくら 但し唐物は別)は盆点にしない

(76 ウ)
〜〜 治の荘り図の通也、茶入被レ乞時、ひげの時宜なし、〜〜
ひげの時宜なし、は「卑下のおじぎはしない」。盆にのるくらい位の高い茶入だから卑下しない。

(93 オ)
小休台本勝手台天目の事
此手前荘かくの、台天目棚ニ一具置、茶入下ニ置事もあり、二具組ニ〜〜
一具置は茶入だけのときもある
二具置は茶入と天目台を置くときもある

(95 オ)
〜〜 当流之秘伝也、故ニ図ヲ略ス、御望之方ニハ板本ヘ拙子有家御尋可〜
秘伝は本に書けないから出版本に著者の住所を聞いて尋ねてきてほしい。そしたら教える。(別料金でってこと)

(102 オ)
御成之次第之事
〜〜 茶道口の戸前はき、咳払ひなとして戸を明、〜〜
肥後古流は籍の作法が決まっている

(104 オ)
家来者ニ御茶被下時の事
〜〜後家来ゆへ口跡なし、口伝、〜〜
口跡は「膝を楽にどうぞ」の言葉

(106 ウ)
不時の客之事
一、不時の客ニ秘蔵の道具出すべからず、新敷を出すへし、
新敷は、さらりとした道具 のこと

(107 オ)
囲炉裏縁之事
一、木地縁は正月朔日より三月三十日迄、ぬり縁ハ口切より極月三十日迄、
炉縁が木地と塗りは、千家では小間/広間で使い分ける
ぬり縁を春に使わないのは、ホコリがつくから

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