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好きじゃなくて執着
彼と喋るようになったのは中学卒業間際
当時の私はクラス委員で絵に描いたようないい子
一方の彼はガラの悪い子とつるむ人だった。
交わるはずのない私達の距離を縮めたのは学級閉鎖。
毎日一緒にバスケをするようになって
毎日メールするようになって
正反対すぎる性格に惹かれていった。
周りになんて言われようと自分の正しいと思う道を
そういう彼の生き方が好きだった。
高校は別々で多忙な部活に入部して会えなかった
が唯一休みの試験期間は一緒に勉強した。
大学生になると酒と煙草を覚え
焼き鳥屋とカラオケがお決まりのコースになった。
何度か告白したけど君は手に入らなかった
いつのまにか“好き”から“執着”へと変わっていった
と気づいたのは結構最近のこと。
「お前に彼氏ができないのは俺のせいだよな」
と苦笑いする彼の横で今日も
ハイボールとレバー串を頬張り
彼のうたうサザンを聴き、君の好きなyuiをうたう。
好きってなんだっけ。
そんなことを考えながら眠りにつく日々は
いつまで続くんだろうか。
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