見出し画像

ハラスメント問題について考えるが、事態が進むにつれて大きな「対立」を生んでいるのではないか?という疑問

先週の試合が、延期になりました。


理由は、7年前に既に引退している選手が、現ノースカロライナの監督レイリー(セクハラをした当時はポートランドの監督を務めていた)に受けたセクハラをとあるメディアを通して告発し、それをきっかけにリーグや選手会などが困惑しストライキを起こす起こさないなどといった混乱状態となり、メンタルヘルス的に試合を行うのが難しいと判断したため?なのか(性格な理由は把握できてません)、という理由が曖昧なまま試合が延期となりました。


選手の私たちも完全には理解していない状態です。


それ以降、2010年からレイリーのそういった行為が続いていたなどという話も浮上し、事実確認のないまま事態は混沌としています。ただ、レイリーはこの告発を受けて全てを否定しています。そして、証拠がなく事実確認ができていない状態で、レイリーはクビになりました。


リーグはこれからFIFAなどを通して調査を行うということを発表しました。


特に英語力が劣る私にとっては初めて聞く言葉も多く、一体何が怒っているのが処理できていない状態でもありますが、少しずつ整理できてきています。


そしてこの告発があった直後、選手会がリーグに対して相当な圧力をかけました。今回の当事者がアレックスモーガンやラッピーノの友人であることからも、騒動が大きくなった一つに理由として挙げられると思います。

リーグに対して声を挙げた理由としては、リーグ側がこういった選手の声をかき消し、なかったこと、もしくはうやむやにしようとしていたからです。そして告発のあった翌日、リーグのトップであるリサとその弁護士であるもう一人のリサが辞任を発表しました。


今回の件に関しては単なる序章にしかすぎず、これを火種として他の選手たちも声を上げ始めています。オーストラリアのレジェンド、リサ・デバンナは選手同士でもそういったセクハラ行為が行われていたと声をあげています。



レイリーに対する告発の前に、私の所属するルイビル、そしてワシントンの監督がハラスメントが理由でクビになりました。この2つに関しては何が実際に起こったのかが公にされず、双方のクラブからクビだけが発表されました。


おそらく、このクビになった2人に関しても調査が入り、理由が公にされる日もそう遅くはないと感じています。


この2人の監督のクビがきっかけとなり、レイリーに目が向けられ、今回の告発が起こったように思います。そういう「流れ」ができたというか。レイリーの件が公にされてからは、そういった行為を受けた選手が公に言いやすい状態となりました。


選手たちはもっと良い環境で、良い指導を受けられるべきだ!選手はもっと守られるべきだ!というスローガンを掲げて、ストライキやデモを起こして環境改善を求める運動を始めようとしています。というかむしろその準備は始まっています。


そして、今回の問題を起こした監督たちのライセンス剥奪し、二度とアメリカで指導できないようにという声も上がっています。


さらに、アメリカ特有の「選手の保有権利」という制度をなくし、フリーエージェントで自由に移籍できるようにするためにも現在選手会を中心に動いています。


今回の件で例えるならば、もし選手が嫌がらせを受けていて移籍したいとなった場合に、選手がフリーで移籍できるようにならないと、選手を守ることができない。

NWSLは制度的に選手にとって不利な制度が多く、こうした不利な制度を変えていく流れが今起きている、という感じです。


これが良いか悪いかは別として、選手がこのように声を上げてリーグの質を上げていく過渡期に差し掛かっているんだなとは感じています。もし、これがリーグ立ち上げ当初で何の保証も権利もパワーもない状態でこのようなことを起こすことは難しかったと思います。



ある程度ファイナンシャル的にも安定してきたかこそ、こういった行動を起こすことができていて、自分たちの立場を守ろうという活動が始まったわけですが、個人的にはこの騒動に関しては色々と思うところがあります。


ここから先は

1,180字 / 1画像

¥ 200

みんなが協力しあって生きていける社会へ。愛と共感力で、豊かな世界を創っていきたい。サッカーが私にもたらしてくれた恩恵を、今度は世界に還元していきたいです。