見出し画像

今まで大丈夫だったのに…コレステロールが高くなった!どうする?

本日持って帰ってきた宿題。Aさんをどのようにフォローすればいいのか考えます。

Aさん「今日採血したら、コレステロールが高かったの。中性脂肪は大丈夫だけど…。薬が増えたのがショックだわ。ずっと飲み続けないといけなくなるのかしら?」

基本情報:
年齢:70代後半
基礎疾患:高血圧
趣味:水泳やウォーキングなどの運動
処方:
テルミサルタン、アムロジピン、ピタバスタチン
(ピタバスタチンは今回からの処方)

検査値:
血圧123/83、LDL-C 143mg/dl



見た感じ、健康意識が高い方ですね。あまり薬に頼る生活はしたくなさそうです。
現状血圧はコントロールできていますが、LDLがやはり高めです。

高コレステロール症の治療方法の基本は?

「今日の治療方針」のよると、高コレステロール症の治療は

1次予防:
•まずは食事や運動で生活を是正、それでも改善を認められない場合、薬剤の使用を考える。
•糖尿病、CKD、脳梗塞、末梢動脈疾患の予防

2次予防:
•生活の是正と共に薬剤の使用を考える。
•冠動脈疾患がある人、または、75歳以上のひとははこちらが真っ先に選択される。

という2つの方針があります。

Aさんは75歳以上なので、いきなり2次予防の治療、薬剤がでてきたって感じですね。ちなみに75歳以上だといきなり薬剤が出てくる理屈ですが、これは1次予防、つまり、生活是正だけから入ると効果不十分という結果がでているからです。

これからAさんどのようにフォローする?

LDLの低下させる治療方針は、ストロングスタチンをまず使い、効果不十分であれば、スタチンを増量、注射やエゼチミブなどの他剤併用を考えるって感じです。
目標は2次予防基準だと、LDL100mg/dl以下です。

もとが140なので、中々ハードルが高いです。まずは根気良く飲んでもらうことでしょうね。
(生活習慣で…と言いたいところですが、薬剤と比べて劇的に下がるわけではないみたいです)

この後はどうなるかは正直予測できません。次回の指導は、もし結果が出ていたらLDLの結果、副作用の有無を確認ってところでしょうか。


注意!!
「スタチン不耐に関する診療方針」によると、スタチン系の説明であらかじめ筋症状(横紋筋融解症など)が出ると説明すると、本当にスタチン系を飲んでいない人(いわゆるプラセボの人)も筋症状がでるという「ノセボ効果」というのが出るそうです。筋症状を訴えたら、打撲などをしたか、CKの値を見て評価するのが一般的のようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?