不登校等支援組織づくり決起への思い

「やってみたい。」、「私なんかがやっていいのだろうか。」
毎日、この二つの言葉が頭の中を行ったり来たりしています。

教育関係に携わり、子ども支援、特に不登校支援をしていく中で「こうあったらいいな。」と思う所が私の中で徐々に湧いてきました。そのような思いを抱いていたある時、貴重なお話を聞く機会があり、そこではっとしました。

きっと私は今後とも「もっとこうすれば…」と文句を言い続けるのかもしれない。現状を認める勇気もなければ、変わる度胸もない。どこかで自分の船のオールを他人に任せていた。

そんなことに気付かせてもらいました。
本気で自分事としての覚悟をもったとき、やっとスタート地点に立てる。ですから、自分がどう在りたいのかを改めて考えました。


その結果が、「子ども支援の官民連携グループをつくる」という決意です。大した実績もない私がやることに意味がある。地位や実績のある方が立ち上げた方が成功するのかもしれません。ですが、それでは面白くない。
それよりも、若者が仲間を集めて一から作り上げた方が不登校支援の希望になる。非難を浴びたり失敗したりするかもしれませんが、諦めず成功するまでやれば必ずできることを証明してみたくなりました。


私がもどかしく思う点がいくつかあります。

その中の一つに、学校の先生、保護者、子ども、民間の教育関係者や支援者それぞれが一生懸命に各々の正しさをもって頑張っているのに報われていない現状が少なからず発生している点。
二つ目に、不登校自体を悪いこと無意識に思っている点です。

二つ目に関しては、不登校経験や社会人での病気や休職経験者が充実した生活を送っている事例を数多く観てきたことから、今不登校を選んでいる状態でも肯定することができるようになりましたが、まだまだそうは思えない人の方が多数だと認識しています。


よって、色々な立場・視点から見ることのできる開かれた場
=「(仮称)子どもの多様な在り方を認め合う支援の会」(以後「支援の会」と呼ぶ)を構想しました。
広く情報や視野を開示して、まずはもっといろいろな人がいて、支援があることを知ってもらう。そして、それぞれのケースに合致した支援の在り方が選択できる仕組みを作ることで「自分に合わない」「居場所がない」という苦しみを取り除き、「こうあるべき」という心の鎖を外すきっかけになればと考えています。


不登校で心配されることに「将来への不安」があります。勉強が分からないから学校が楽しくないというケースも多いですが、前提として学力がないと将来、社会で自立できないのではないかという不安が大きいのではないでしょうか。確かに目に見える学力は分りやすい指標になり、その人の努力の成果と捉えることもできます。しかし、いわゆる勉強の数値に全く関係なく採用をする企業があり、人を見る基準に学力が入っていない個人の方もいます。

これは、どちらが正しいということではなく、どちらの考え(世界)もあるということです。また「家にずっといることへの世間の目が怖い。」という声も聞きます。このままずっと変わらないのではないかという不安もあります。

だからこそ、社会全体で不登校等を認める声を集め、肯定の声を形に表して「見える化」したいとも考えています。「周りから感じる目は自分の目」とも言われます。当事者ご家族だけでなく、これでいいのかと揺らぐ支援者や大勢の方々の不安が少しでも和らぎ、将来の希望を信じることができる社会の目(自分の目)を育てていきたいです。

私が知っている不登校や休職経験のある方々は(私自身も含めて)「あの時の経験があったからこそ今がある」と話してくれます。

だから私は「絶対に大丈夫」と声を大にして言いたい。
無責任と言われるかもしれませんが、自分の人生に責任を持つのは自分以外いないのですから。第三者は精一杯「大丈夫」と肯定し、承認することしかできません。
大人は経験値があり、子どもは精神的に未熟なため大人が子どもに教えるという形になりがちですが、一生懸命で向上心のある親切な大人こそ、正論や根拠づけから離れてみて、子どもの現状を受け入れ認める(=自分を認めていく)優しさを忘れないで欲しいと思います。


ですから、支援の会を作るに当たっては、民間組織の間で「うちは素晴らしい」「○○は宜しくない」という是非の関係を作りたくないです。また、「このグループに入らないとダメ」という組織にならないように、かつ、連携を取り合って社会全体にとって有益である組織にしていきたいです。

イメージとしては、「悩みをお聞きします」という点も大切ですが、「こんなに楽しいグループですよ」というコニュニティをイメージしています。色々な視点を紹介したり、チャレンジを応援したり、学んだことをシェアする中で、一人一人が自らの手で成長していくことが理想です。結果として、この会の認知度が広がり、この会に入っていない方、今まで相談できなかった方も一歩を踏み出すきっかけに繋がればと考えています。


新型コロナウィルスの影響で社会が変化する中で、今後、より一層多様な在り方を認めていく風潮が広まっていくと予想されます。それぞれの考え方、在り方を批判し合うのではなく、例えば「学校はこんなに楽しい所だよ。」や「学校へ行かなくてもこんなに充実しているよ。」とお互いがお互いを認め合って「じゃあ、そっちの考えに変えてみようかな。」「(色々考えた中で)やっぱりこの考えが心地いいな」というような世の中を思い描いて組織づくりをしていきます。


大人が希望を持ち、認め合い、自分を信じて、充実した日々を送ることで子どもの将来を照らしていきたい。だからまず、私自身が一歩を踏み出し、楽しみながら始めます。今は私一人の構想ですが、きっと私が想像以上の現実が待っていると信じています。なぜなら、最初から一人でやるつもりがないからです。皆さん助けてください。


繰り返しになりますが、非難を浴びたり失敗したりすることが成功のカギです。成功するまでやれば必ずできます。私は絶対に諦めませんので、沢山の方々のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。


上善若水 ~水のように~
万物に利益を与えながら、他と争わず器に従って形を変え、低い所へ流れていく。時には温かく、時には冷たく、時には岩をも砕く強さを持ち、時には燃え上がり空へ舞う。


2020.5.14
一人で初めての企画書を作成した後の決意表明
森裕樹

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