#太陽光パネルリサイクル③
太陽光パネルには大きく分けてシリコン系・化合物系・有機系の三種類がありますが、住宅用で最も普及しているのはシリコン系です。
シリコン系太陽光パネルはこうしてできる
「単結晶」と「多結晶」は何が違う?
単結晶か多結晶は、シリコンでできているという点は同じですが、どのように製造されるかに違いがあります。
シリコンの原料はケイ石と呼ばれ、ケイ素(Si=シリコン)が含まれます。そして、このケイ石を加工し、溶かしてから冷ますことでインゴットを作ります。
そしてこれを切り出したものをウェーハと言い、太陽光パネルを構成するセルのもととなります。
単結晶の太陽光パネルは単結晶インゴットを切り出したセルで構成されており、先述の通り、シリコンの純度が高いのが特徴です。
多結晶太陽光パネルは、複数のシリコン片がブレンドされたポリシリコンから作られています。製造時に原料をほとんど捨てないため、多結晶の製造プロセスは無駄が少なくなります。
そのため、単結晶と比較すると低コストになりやすい点が特徴です。一方、複数の結晶を集めて作られているため、各結晶内は規則性が保たれていても、セルの中の結晶同士の規則性はバラバラです。
電子は結晶配列が規則的である方が移動しやすいため、多結晶の場合は変換効率が単結晶に比べると落ちてしまいます。多結晶の太陽光パネルは青っぽい色をしており、シリコンの精度が単結晶よりも高くないため、まだら模様になっています。
化合物系太陽光パネル
大きく以下の2つに分類することができます。
CIS/CIGS
CISというのは銅、インジウム、セレンを原料とする化合物半導体で作られた太陽パネルのことです。これら3つの元素にガリウムを加えたもので作られた太陽パネルを「CIGS」と呼びます。
CdTe
CdTeはカドミウムとテルルを原料とした化合物半導体で作られた太陽パネルのことです。効率が良く、非常に優れたコストパフォーマンスであるため欧米では普及が進んでいる一方で、有害物質であるカドミウムが含まれていることから、日本国内ではCdTeを製造しているメーカーはありません。
有機系太陽電池パネル
有機物を原材料とする太陽電池で、現在研究が行われている有機系太陽電池には以下の2種類があります。
有機薄膜太陽電池
色素増感型太陽電池
有機薄膜太陽電池は有機半導体のpn接合を利用した光起電力効果で発電するのに対し、色素増感型太陽電池は植物の光合成のような仕組みで発電します。
このように発電の仕組みは全く違う2つの太陽電池ですが、原材料が有機物という共通点から、無機系の太陽電池との比較では以下のような共通の特徴を持っています。
軽くて薄く、自由に曲げることができる。
太陽電池自体を着色できる。
製造コストが安い。
変換効率が悪く、寿命が短い。
「ペロブスカイト太陽電池」も有機系の一種。
化合物系は「有害物質」が入っているので、リサイクルはできません。
区別は割と簡単です。
さあこれで大体の「太陽光パネル」の種類など理解できたと思います。
今回はここまで。
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