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第六次エネルギー基本計画とは?

これは皆さんに関わることですので、色々な資料を見ながら
出来るだけ分かりやすく説明しようと思います。


まずは見やすいグラフから載せます。

各国削減目標
温室効果ガス 内訳
イメージ
核燃料リサイクル
原発の現状
2030年の需要と供給
希望電源構成

まず「エネ基」とは、日本の脱炭素の方向性を根源的に決定づける文書。

カーボンニュートラルやSDGsでは、各企業はどのくらいCO2を使ったか
発表しないといけなくなる。

もし日本の電気が100%CO2無しならば、心配は要らない。
でも現状のように80%が化石燃料由来の火力発電だと、電気を使うだけで
CO2排出していると非難される。

現在国際的なサプライチェーンの脱炭素方進展している。

2030年の電源構成を「再エネ」で約36~38%にしようと考えている
その内訳
・太陽光 約15%
・風力  約16%
・地熱  約1%
・水力  約10%
・バイオマス 約5%
※組み合わせて、その数字に持っていきたい。
これまでは20%前後。

そして「原子力」を約20~22%に戻さないといけなくなった。
※これは欧州もグレタちゃんも「CO2を出さないならグリーン」と
急に手のひらを返したので、日本も見習わねば。

水素・アンモニアも含めて(1%ほど)、電力セクターのゼロエミッション比率を59%程度に見込む。

・石炭 32% → 19%
・LNG 37% → 20%
これで46%削減できるかが問題。

CO2排出量
・2013年 約12.35億トンを
     ▼
・2030年 約6.8億トンにしたい。
これで約46%減となる

水素・アンモニア発電・CCUS/カーボンリサイクルによる炭素貯蔵・再利用を前提としたイノベーションを追求するが、2030年には現実的に間に合いそうにない。

だから「再エネ」「原子力」の2軸が柱になる。

パリ協定では再エネ目標を引き上げなかったが、出来る限り「脱炭素」に舵を切った。

「原案」の中に、このような一文がある。
こうした中、先進国を始めとして各国は、脱炭素化に向け、技術のみならず、国際的なルール形成の局面において、自国の産業構造などを踏まえ自国に有利なルール作りに邁進し、また、事業者も脱炭素技術を利用した競争力強化に取り組み始めている。

つまり「脱炭素」は「覇権争い」で、我田引水の世界。

日本の技術力を使って「勝ち」に行くしかない。

このフィールドで勝つには、国民が認識しないといけない。
これは環境規制の話ではなく、産業競争の話である。

今までの政府と、根底認識が一変している。

46%の削減を達成するためには「原発」の再稼働は必須。

今まで日本が重視してきた「S+3E」とは?

・Safety       安全性
・Energy Security   エネルギーの安定供給
・Economic Efficiency 経済効率の向上
・Environment    環境への適合

※これだと「脱炭素」を阻む壁となり、経済効率が悪い。
(一応これは入れてあるが、トーンは前向き)

記載されている「再エネ」の順番
太陽光▶風力▶地熱▶水力▶バイオマス

つまり左からとならざるを得ない。

※バイオマスは期待値が低い。

グリーン成長戦略でも
①太陽光 ②風力 ③地熱 の順

世界で一番広まっているのは、どうしたって「太陽光」
地産地消の分散型で増やす方向は認める。

風力は2030年の段階で、実は希望数字まで期待はできない。

地熱は風力よりも期待値が低い。
またコストの課題解消のメドも経っていない。

水素は実は価格が下がらない恐れがたかい。
つまり「脱炭素」の切り札にはなり得ない。

ここまでは「供給側」の話。

★「需要側」は、とにかく絞る。
絞れるだけ絞る。

こうなると2030年まで、「省エネ」「太陽光」「原子力」「電化」が
実質的な柱にならざるをえない。

※イノベーションを起こせるか?
※脱炭素転換を各セクターで出来るか?


さあエネ基本原案が発表されました。
これから各省の調整・与党プロセス・業界との最終調整にはいる。
10月に閣議決定。

このようになります。

経団連はすでにコメントを出しているようですが。

いかがでしたか?
そんなに難しくはない。

ただ、絞ることが求められます。


詳しく知りたい方は下記から見れます。

エネルギー基本計画(129P)
20211022005-1.pdf (meti.go.jp)

経産省 エネルギー基本計画概要(13P)
20211022005-2.pdf (meti.go.jp)


では今回はこのくらいで。

スクラップマスター南

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