おさるのジョージを息子と並んで観て思うこと

長男のお相手をしてくれるEテレさんには毎度お世話になっている。
YouTubeほどの中毒性や親の背徳観が無いこの上ないチャンネルだよね。
NHKのあり方は置いておいて、夕方4時からの子どものゴールデンタイムであるこのチャンネルは、どの時代でも母親の大ヘルパーである。
父親の育休についても、このチャンネルで子どもと時間を共にすれば意識改革に繋がるのではないかとも思えるが、私も考えがまとまっていないのでそれについては今は触れずにおく。

その中の番組の一つ、『おさるのジョージ』。
人間の子どものような知性を兼ね備えたおさると家族の黄色い帽子のおじさん(てか全身黄色やん)、そして仲間たちとの日常の物語。
暖かい雰囲気もさることながら、おさるの知性を少し過剰に演出している部分まで、大変愛しく描かれている。

この世界観の特徴、子どもは違和感無く観れるが、大人が気付く、たった一つの圧倒的な特徴。

それはおさるが人間の子どもと同じように生活をしていても誰も驚かないことである。

いつから放映しているのかは解らないが、私も幼い頃に何らかで目にしている作品であるはずだが、おそらくその頃は気付いてはいない。

友だちは勿論のこと、街の住人も当たり前のように
「やあ、ジョージ」
と声をかける。おさるも
「ホハアッ」
と挨拶を返す。

このやり取りだけで十分オキシトシンが分泌されるのだが、
そこで癒しに身を任せずこの世界について考えてみた。

毎回ジョージは何らかの問題に直面するのだが、その都度彼の学習能力と推理によってその問題をクリアしていくのがこの作品の醍醐味である。問題というよりは彼にとってはゲームに近い。
大人の目線で観ていると普通はハラハラするものばかりなのだが、実際そこまでのスリルは無い。のんびり安心して観ていられるのである(実際の子育てもこのスタンスでできたらどんなに良いだろう)。

ここからは私の妄想であるが、
その理由の一つが、この世界には悪人が存在しないのである。
みなが毎日を楽しく、そして自分の仕事に誇りをもって充実した日々を過ごしているのだ。
お巡りさんの仕事相手は、うっかり人の世界に迷い混んだ野性動物や災害だ。
だから正義のヒーローももちろんいないのだが、
その代わりに優しい日常があり、全人類が兄弟である理想郷となっている。

うってかわって情報が溢れている現代であるが、相違性を武器にできる変わりに、多少の異質をクレームとして炙り出し、排除されることも普通である。

世界平和が確立されたジョージの世界の優しさはまさに理想郷と呼ぶに相応しいと考える。

理屈っぽく書きましたが、つまり世界から争いが無くなれば、おさるであろうが異質であろうが、誰にでも優しい世界になるなら良いなあ、というお話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?