見出し画像

マッチングアプリの思ひ出①

私は今から遡る事約1年前、とあるマッチングアプリをインストールし、日々色んな人とのメッセージのやり取りに明け暮れていました。

その頃はまだ前の会社を退職してはいなかったのですが、まぁそれはそれは出会いのない事。
そこそこ従業員数は多かったし、同い年くらいの男性社員もちらほらいるにはいたけれど何にせよ仕事以外で恋愛に発展するような関わりがビックリするほど一切なかったんですよね。

入社当時は社内恋愛とかあるのかなぁ、や一緒に仕事していく上で仲良くなって食事とか誘われちゃったらどうしよう!?などと随分脳内お花畑な夢と希望に浮ついていた私ですが、実際に入社し配属から3ヶ月程度経ったあたりからあれ、これは何かがおかしいぞとじわじわといかに社会人は出会いがないのか、という酷な事実を思い知らされ始めたのでした。しかし、そうは言ってもまだまだ希望は捨てられない。もしかしたら、があるかもしれないし……。

しかしそんな事をやっている内に約2年の歳月が流れ、そうなるともういよいよ私も社内、または会社関係での出会いは諦めるより他はないと断言せざるを得なくなっていたのです。

他の出会いの手段としては友人からの紹介や合コン、というのもあったのですが私は女子校出身であり、女子校出身者でも在学中に既に彼氏がいたような華やかな陽キャも勿論いたのですが、自分が仲良くしていたような子達はそんな人種ではなく、現在も勿論人に紹介できるような男友達、もとい知り合いがいるような人は皆無に等しかったのです(合コン開催も同様)

ごく稀に大学で知り合い顔の広かった子が「彼氏欲しいの?あーじゃあちょっと探しとくよ」とこちらの期待を煽るような返しをしてくれた事もあったのですが、大体そういうのはその時口で軽く言うだけで実際にちゃんと紹介とかはしてくれないんですよね。だってその子も次に会った時はもうそういう会話をしたこと自体を忘れていたし。

そうなってくるともう……残す希望は1つしかありません。そう、他でもない“マッチングアプリ”です。昔はこういう類のものは出会い系と呼ばれ何となく避けられてきたコンテンツであったと思いますが、年々利用者はどんどん増え、最近ではもうすっかり一般化し週末比較的人の多い駅などに繰り出せば見るからにそれっぽい待ち合わせをしている人達の姿が目に見えて露見されるほどにメジャーな出会い方となっているのではないでしょうか。

しかし、そうはいっても私は正直怖かった。だって見ず知らずの人と実際に会って飯食ったりお茶したりする訳でしょ?インスタとかでマッチングアプリ奮闘記みたいなエッセイ漫画を見た事があったけど普通に顔写真詐欺してたり、年齢が違ったりあんなのいくらでも色んな個人情報を詐称できてしまうだろうし、また情報は合っていても相手が物凄い性癖をもった変態、または猟奇殺人犯であり、気を許した途端にとんでもない酷い目に遭わされてもう二度と生きて帰れない、みたいな事もありえるのではないかと悪い妄想ばかりが頭の中を駆け巡ってしまいました。

しかし、ある時会った友人にそんな胸の内を離した際、「気持ちは分かるけど彼氏欲しいんでしょ?でも出会いはないんでしょ?だったら一度腹括ってやってみたらいいじゃん」
そう強気に言われ私はその場でしぶしぶとあるアプリをインストールしたのです。やっぱり誰かと一緒にいる時ってなんか謎の積極性が出ますよね。家で一人でいたら絶対あーだこーだ言いながら先延ばしにしてしまっていたと思うんですけれど……。

何はともあれ、腹を括った私はその夜自分の自室でスマホの画面と睨めっこをしながら登録するための項目を1つ1つ入力していったのですが、アプリを使用し出会いを求める上で最も重要、しかしそれと同時に最も難解である壁にぶち当たってしまったのでした。

そう、それは顔写真。他の女性ユーザーはどんな感じで登録しているのか確認したかったのですが、マッチングアプリって女性ユーザー側からだと男性のプロフィールだけで同性のは表示されないんですよね。それも自分が実際にアプリを始めてみるまでは全く知らない情報の1つでした。

そのため、他にマッチングアプリをやっているらしい友人に聞いたり、Webで検索をかけたりして、とりあえず盛れすぎた自撮り、プリクラ、逆に全く自分の顔、シルエットが写っていない写真はNGという事は分かりました。という事は、1番良いのは自分一人だけが写っている誰かに撮ってもらった他撮りという事になるのですが、自分は陰キャすぎて昔から今までそういった類の写真がほとんどフォルダの中に入っていなかったのです。

うわああ、どうしよう……まさか今からメイクして親に撮ってもらう訳にはいかないし、うーん……少しの間頭を抱えていたのですが、もしかしたら写真フォルダの中にないだけであって、LINEのアルバムの中にはそのような写真も自分が忘れているだけで残されているかもしれない、と思い立ったのです。

早速LINEアプリを立ち上げ、友達とのアルバムの中に入っている写真を一覧で表示させ、それを一つ一つ見ていきます。結構面倒くさい作業ではあったのですが、それと同時にあれ、こんなの撮ったっけ、と自分の記憶の内から半ば抜け落ちていた思い出を再度拾い集める事もできたため、偶然の産物、過去の懐かしい記憶に浸りながら一つ一つスクロールを繰り返していきました。そして、何巡目かの時に、ついに見つけたのです。おっこれはそこまではっきり顔は写っていないけれど体型や雰囲気は伝わるし、都内の有名なテーマパークで撮ったものだから直接的な身バレに繋がる恐れもない!

……しかしそれは、大学の時に付き合っていた元彼とデートをした際にお互いを撮り合った写真だったのです。そういった経緯のあるものをこういった新たな出会いを望む場で使用するのは少々後ろめたくもありましたが、これを見る人はそういった事情を知る由もないのであるし、相手が物凄い偶然でこのアプリを使用していたりしない限り、元カレだってこの写真を目にする機会はもう二度と存在しないのです。

約15分後、私はアプリ全体の項目の記入を終え、残すは本人確認書類としてアップロードを行った運転免許証の承認を待つだけとなりました。

ついに、成し遂げた……。まだ誰ともメッセージのやり取り一通もしていないにもかかわらず、既に謎の達成感を味わってしまう私。しかし、言うまでもなく本当の勝負はここからなのです。結論からいうと私はアプリを通して実際に会うまでにこぎつけたのはたったの1人であり、その他の人達とはチャット、電話は行ったものの中々会うまではいきませんでした。

長くなってしまいましたが、次回はそのたった1人逢い引きした相手との実体験を記していきたいと思います。

よろしければサポートお願い致します🙇皆様を楽しませることのできるような記事を書くことができるように精一杯精進して参ります!