ひとり一つのお月様
心の核には誰も近づけないみたい哀しい悲しくないあなたはどこのわたしがすきなの?あなたが知っているのは半径3メートルからのわたし。わたしは毎日背中に羽を背負って行方不明になるから,そのあいだはちゃんとお留守番しとくんだよ。抜け殻のわたしをみつけたらいけない。ノックをしてもだめよ。深い底で安寧の鼓動がしずかにうごいているんだから。誰にも邪魔されないこの時間。この時間だけ心臓はトックトックと人の目気にせず脈打つことができる。森のブランコで休憩しているあいだ,熊さんがアップルパイを持