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Day35 在位が長いと神格化する

サルです。

海外の話ですが、私もかつて駐在していたタイが揺れています。

タイ王国は今では数が少なくなった国王制を維持している国で、世襲制の国王が国家元首です。

これまで何度かクーデターが発生しているものの、基本的に国王制は維持され、直近の軍によるクーデーターでは、最終的には国王が争いを治め、結果的に国王の権限が大幅に強化されました。

これは前国王であるラーマ9世(プミポン国王)が国民からの信頼が厚く、国王がそういうならば、ということで争いが治ったり、この国王ならばということで、権限が強化されたという流れがあります。

私も実際にタイで生活していて、国民の国王に対する敬意の払い方には驚かされました。それほど、ラーマ9世は名君だったということかと思います。

ラーマ9世は、彼の父親、兄が相次いで早逝したことから、1946年、彼が19歳のときに就任してから、2016年まで約70年間国王の地位にありました。

第二次世界大戦直後の世界経済の大幅な拡大期に、彼も大いに国を率いて国民の信頼を得ました。その後の国民の敬意は上記で述べた通りです。

ぷみぽん

2016年に彼が崩御した際の国民の涙流しようは目の当たりにするとすごいものがありました。国民は真っ黒な衣装に包まれました。

その後、息子である現国王が就任しましたが、彼には色々と問題のある部分もあり、国民からそっぽを向かれ、デモに繋がっています。

正直、70年も国位にあった国王は、ラーマ9世がそもそも偉大であったこともありますが、これだけの治世を過ごせば神格化してしまいます。

ラーマ9世は、他国の私から見ても、完全に神格化しておりました。それだけすごい国王だったとは思います。

こうした神格化した先代をどう乗り越えるのか、これは永く敬意を払われた初代に対する二代目の大いなるミッションではあります。

神に対する人間の脆さをこうも感じるかとは思いましたが、これもまた人生。楽しく歩みたいと思います。

…65日…

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