【池袋暴走事故】自分の家族を加害者にしないために【高齢者運転】
ご存知のように池袋で痛ましい事件が起こりました。87歳の男性が運転する車が暴走し、次々と計10人をはね、そのうち31歳の母親と3歳の娘の2人が死亡しました。
「アクセルが戻らなくなった」という運転していた男性の話が伝えられていますが、仮にアクセルが戻らなくても基本的にブレーキが優先なので、同時にブレーキの故障でもない限りは車の運転者として言い訳のできない事故でしょう。
また、運転者が駐車もおぼつかない状態だったという目撃情報も一部で報道されています。
飯塚さんと同じマンションの住人男性は今年、飯塚さんが駐車場にうまく車を止められず、前後に何度も動かす様子を見たという。「奥さんが外に出て『もっとハンドル切って』などとやっていた」。男性は「事故を心配していた。ショックです」。飯塚さんは1年ほど前、男性に「運転をやめる」と話していたといい、最近は足を悪くし、杖を使って外出していたという。関係者によると、飯塚さんは旧通産省の元工業技術院長で、農機大手クボタの副社長も務めていた。(朝日新聞:「運転やめる」告げていた87歳 猛スピードの目撃情報より抜粋)
高齢者の割合は年々増えてますし、高齢者だから事故を起こしやすいとか、起こす、というのは統計を精査しないと分からないでしょうが、自分の両親や親戚が加害者になってしまうかもしれないという不安をお持ちの方は多いことでしょう。
で、自分の両親を加害者にしないためにどうするかといえば、なるべく正常な判断能力を有しているうちに免許を返納させる、車を処分させる、ということにつきるでしょう。
現状の自身の能力はもちろんのこと、将来的な能力の低下も予見した上で、先々と手を打って行くというのは、それなりに高度な判断力が求められますからね。
そもそも論として、ある程度は正常な判断能力があるからこそ自主的に免許が返納できるわけで、認知機能が低下して判断能力に異常をきたせば、もうほぼほぼ詰みというか、もはや家族に残された手段は、強引に・・・(物理)しかないでしょうからね。
個人的には、60歳前後から少しずつ話をしてあげて、70歳になる頃には免許を返納させるのが望ましいと考えています。私の父は70歳手前ですが、既に免許を返納させています。
やはり一般に脳の機能というのは早いものでは50代から、遅いものでも60代後半から顕著に低下することが知られていますが、要するに70代を過ぎてくると正常な判断がより難しくなってきます。
一方で、言語能力は70〜80代でも比較的保たれやすいですから、判断能力が著しく低下していても、受け答えはしっかりしていたりします。
こうなると非常に厄介ですからね。見た目や受け答えは大人で、判断能力は小学生並みの子供、という逆コナンみたいな老が…高齢者になってしまいます。
小学生男児みたいに、「俺はできるんだ!凄いんだぞ!」という異常な万能感丸出しで、他者の意見には耳を傾けず、制止も振り切って暴走運転コース・・・なんてことになりかねません。
まぁ一緒に暮らしていると判断能力の低さなどが露見しやすいですが、時々会うだけだと、多分、分からないことが多いでしょうからね。
というわけで、話の通じるうちに、ある程度は正常な判断能力が残っているうちに早めに免許返納させる方が良いですよというお話でした。
そして、70代後半から80代に差しかかろうというのにも関わらず、運転にこだわり続ける高齢者が身近にいる場合、もはやそれは判断能力が著しく低下した、かなり危険な兆候と考えられますから、できるだけ早く対策した方が無難でしょう。
ちなみに、以前に弁護士にどうすれば良いかを(ネタとして)尋ねたところ、「泣こうが喚こうが家族が取り上げるのが一番(物理)」と言っていたのを思い出します。。。