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【詩】水ようかん(骨董通り 菊家の水羊羹)

深い海のような湿度のなかで

八幡太郎の切れ味を味わう

さくらの葉はいっそう蒼くて

水の流れは刀では切れない

骨董通り 菊家の水羊羹

味わうまでは

餡の味はわからない

夏の終わりは

さかい目のない海のよう

水羊羹は時間の海に現れる

霧に包まれ音に消えてゆく





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