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自分でできたことなのに

えいと(仮)くんは、
一度、本を読み出したり、絵を書き出したり、タブレットを見出したりしたら、授業も給食もすっ飛んでしまう。本人の区切りがつくまで、なかなか終わりに出来ない。
そして、人から言われると余計に長引く。
というのを、この間実感した。

「書写の課題が早く終わった人から、タブレットをしていていいよ」
という指示があり、
えいとくんは、課題をきっちり終わらせて、嬉しそうにタブレットをはじめた。
タブレットは、本当に何でも出来るので、子ども達はそれぞれ、
お絵かきアプリで絵を描いたり、
検索して、好きなことを調べたり、
タイピングゲームをしていたり、
Googleマップを眺めたり、していた。

えいとくんは、恐竜や動物が好きなので、
恐竜について調べたり、動物の絵や写真を見たり、
博物館のホームページを見たりしていた。

で、給食の時間になったのだけど、
みんなが着々と準備をしていたのに、えいとくんは、ひとりでタブレット。

それで、声をかけてしまった。
私:えいとくん、給食だから、タブレット終わりにしよう

え:ええー!まだいいじゃん!別に給食なんてどうでもいいよ

私:ええー!給食は食べようよ!あと、どれくらいで終わりに出来そう?

え:じゃあさ、あと1つ検索したら・・
というが、なかなか終わりにはならない。

この時点で、私は、声をかけたことを後悔していた。私に、担任の先生ほどの強制力はない。担任の先生に任せればよかった💦
でも、こういうのって、声をかけられたけど止めなくてよかった、となると、次からは絶対にやめない。仕方がないので、再度声をかける。

私:検索1つ終わってるよ。そしたら、あと20秒で閉じられるかな?
強制終了のお知らせである。

え:わかったよぉ・・・。
無理だろうなあ、と思っていたのだけど、えいとくんは、タブレットを閉じる方向に動いてくれた。ありがたいことである。

ところが!
私とえいとくんのやりとりを見ていた数人の子ども達の中に、りょうた(仮)くんがいた。りょうたくんは、えいとくんのやることに普段から納得がいかないことが多い。トラブルも多い😅
自分だってタブレットをもっとやりたいのに、えいとくんだけが片付けていないのを心憎く思っていたに違いないし、私が(担任の先生のように?)無理やり止めさせないのも、納得がいかなかったのだろう。

あと20秒ね、と予告したので、私は、カウントをはじめた。
私:20.19.18.17・・・5.4.3 !!!

突然画面が消えたのである。
私は、えいとくんが切ったのかと思ったのだけど、えいとくんも不思議そう。

すると、横で、りょうたくんが笑い出した。
り:あはは!シャットダウンした!

彼は、横から電源ボタンをこっそり押して、切ってしまったのである。

あっと言うまもなく、えいとくんがりょうたくんの胸ぐら掴んだので、
彼の手を押さえると、パッと足が出た。

私:りょうたくん、今のはヒドくない?えいとくんが、自分で切るところだよ!
余計なことしやがって、という気持ちがどうにも出てしまった。

『なにやってるの!席に着きなさい!』
担任の先生の声がかかって、りょうたくんは、席に着いたが、えいとくんは止まらない。
りょうたくんのそばに行き、押したり、叩いたりしようとする。周りの子や私に止められると、今度はりょうたくんの水筒や筆箱を取ってきて投げる。

私は、それを止めながら、
私:口で言う。何がイヤだったのか、言ったらいい!

え:むかつく!
私:なんで?どのくらい?見てたよ。頭に来るの、分かるよ。
でも、叩いたり投げたりはダメ。伝えて!どうして欲しかった?

すると、えいとくんは、りょうたくんのそばに行って、言い始めた。
こちらが、ぎょっとするようなねっとりとした態度で、
え:りょうたちゃーん、もし、君がさぁ、突然タブレット切られたらどう思うわけぇ?いやじゃなーい?

『りょうたさん、反応しなくていい!我慢!
えいとさん、席に着きなさい!給食です!
話し合いは給食の後!』
担任の先生の一喝。

全員無言。
えぇ???おいおいおいおい・・・
私の中では大混乱である。
でも、こういうとき、担任の先生は絶対なのである。
子どもに指示を出しながら、私の動きも止めている。そこ、終わりにしてください!と暗に言っている。

仕方ないので、えいとさんに、あとで!を強調して席につかせる。
当然納得していないえいとくんは、給食も綺麗には食べない。周りの子に注意されて、またやり返す。トラブル続きである。

え:おれ、りょうたくん殺したい!

私:たしかに。それくらい怒ってるってことね。

え:○○くんも、△△ちゃんもぶっ殺す

私:なるほど。すごくイヤだったんだねえ。そうだよね。たしかにね。

え:やっていい?!

この場合、やっての、や、は、殺、だろうか?と、どうでもいいことを考えながら彼に言う。

私:殺すのは、ちょっと怖いなあ。

え:おれは怖くない、死んだって怖くない!

私:先生は怖い。死んじゃってみんなに会えなくなるのは怖い。やめて欲しい

え:ふーん。しょうがねえな。
そのうち、給食を食べ始めたのを見て、ゆっくり私も自分の給食へ。

えいとくん、たぶん、いつもこんな調子なんだろうな、と思った。
たしかに、はじめは、えいとくんが時間になってもタブレットをやめていなかったことがきっかけではある。
私がそれに声をかけた。
ここがお友達の場合もあるだろう。
それが、次のトラブルにつながってしまう。
大暴れして、切り替えが出来ないので、常に叱られる。他の子が別の要因を作っていたとしても、だ。
そして、不満が溜まっていく。
これは、どうすればいいんだろうか。

とりあえず、その日は、担任の先生に一連の流れをお話ししたので、
りょうたくんは、給食のあと呼び出されて、たっぷり絞られていた。
もちろん、えいとくんも😂
はじめの声かけ、のところから、または、その前に出来ることがあったかな?
など、いろいろ考えた。

しょっちゅう起こるのに、いつも止められないのは、なかなかしんどいのでね。

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