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わたしが布小物作家になるまで

こんにちは。
ママと子どもの暮らしに笑顔を届ける布小物作家
金風由起子です。

天然素材の生活雑貨や、壊れにくく長く使える入園入学グッズをネットショップ「ぬくもり布工房」で販売しています。

またネットショップの他に、保育園の連絡帳袋や椅子のカバーなど、提携先への販売もしています。
布マスクは100枚以上を販売し、素朴であたたかみのある作風には定評があります。

小さい頃からずっと裁縫が好きだったわたしですが、
この仕事を始めるまでには経緯がありました。
少しわたしの話を聞いてください。


わたしには歳の近い弟が2人いて、3人きょうだいのお姉ちゃんとして育ちました。
弟たちはとても手がかかり、母はいつも忙しそう。
わたしは小さいながら「しっかり者のお姉ちゃん」として頑張っていました。

そんなわたしが小学生になった頃、母は裁縫を教えてくれました。
一人娘だったわたしに母が時間を作ってくれることが、嬉しかったのをよく覚えています。
細かい手仕事が好きだったわたしは、裁縫に興味を持ちました。

最初は母と一緒に、バッグやクッションカバーを作りました。
だんだん一人でワンピースやエプロンを作れるようになり、裁縫はわたしの楽しみになりました。

時は流れ、27歳で結婚したわたしは、自分のウエディングドレスをつくりました。
裁縫はいつもわたしのそばにある存在。
このまま末永く、趣味として楽しんでいくつもりでした。

最初の転機は子育て中に訪れます。

3人の子どもに恵まれたわたしは、息子の幼稚園でのチャリティ販売会で、初めて自分の作品を売ることになりました。

手作り班のママたちと数か月の準備をし、初めて迎えた販売会。
そこでわたしの作った「うさぎさんのお弁当袋」が飛ぶように売れたのです!

「すごくかわいい!」
「子どもが気に入って使っているよ」
「姉妹で取り合ってるよ」などなど、喜びの声をたくさんいただき、
園内では子どもたちが嬉しそうに使っている姿を何度も目にしました。

「わたしの作ったものをこんなにも喜んでくださる方がいるなんて!」
それまで自分の趣味としてやってきた裁縫だったので、それはそれは大きな喜びと驚きに胸が高鳴りました。

また、同じものを何度も作っていく中で、
デザイン性や使いやすさを追求していくことの楽しさを知りました。

このことをきっかけに、わたしは「ハンドメイド販売」という新しい世界へと、どんどん引き込まれていきました。

「自分でも販売をしてみたい」という気持ちは
日に日に膨らんでいきましたが、
すぐに行動に踏み切れたわけではありませんでした。

ハンドメイド販売に関する本を読み、ネットで調べる毎日。
今の時代、情報を手に入れるのは簡単なことです。
しかしいざ、一歩踏み出そうとすると勇気が出せず、
もし売れなかったら…
もし期待に応えられなかったら…
もしクレームがきたら…

不安ばかりが渦巻いていました。

また当時のわたしは小さい子どもを3人抱え、
パートをしながら家から片道30分の幼稚園に子どもたちを送迎する毎日で、
体力的にも限界ギリギリ、好きなことをする時間などありませんでした。

さらにわたしには、自分を止めようとする過去の出来事がありました。
それは、かつて大学を卒業し、ずっと夢だった小学校の教員になったのに、すぐに精神的に追い込まれ病気になり、退職を余儀なくされた過去。
ずっと教員になるために頑張ってきたはずなのに、健康も仕事も、そして希望も失い、涙枯れるまで泣きました。

そんな過去の自分が
「無理をするのはやめなさい」
「また体を壊したらどうするの?」
と今のわたしにささやくのでした。

ハンドメイド販売なんて、わたしにとっては高望み。
どうせやれるわけがない。
だいたい日常生活だって、うまく行っているとは言い難い。
すぐに疲れて、すぐに悩んで、家事も子育ても不十分なのに
その上に自分のビジネスを重ねるなんて、わたしには無理なんだ…。

どんなにハンドメイド販売をしたいという思いが募っても、
いつもブレーキをかけるのは自分でした。

どうせうまくいかないわたし。

「販売をしたい」という気持ちは一旦胸にしまいつつ、その一方で、わたしは以前から興味があった心理学を勉強することにしました。

半年間のスクールは、自分の内面を見直すのに最適な場所でした。
じっくり勉強して、カウンセリングのスキルを身につけると同時に、そこで知ったことに衝撃を受けたのです。

それまでは「どうせできないから一歩踏み出さない方がいい」
と信じていたわたし。

でもそこで知ったのは、
「自分自身が何もできないと決めているから
何もできない現実がやってくる」
という事実でした。

自分が決めた通りの未来がやってくる。
だとしたら・・・?
もし「ハンドメイド作家になる」とわたしが決めてしまえば・・・?

わたしを止める理由はもうありません。
今ある不安を抱えたそのままのわたしで、ハンドメイド販売を始めることに決めました。

時は2020年、コロナ禍の始まり。
最初の緊急事態宣言が発令された頃でした。

コロナ禍で迎えた最初の夏、慣れないマスク生活の負担をできるだけ軽減しようと、ごく薄い布地で「夏用マスク」を作りました。

まだ実績のないわたしのところに、来て下さるお客様がいらっしゃいました。
最初は知人から、徐々にそのお友達に輪が広がり「夏用マスク」は完売しました。
それはわたしにとって、奇跡のような喜びでした。

夏用マスク

その後は、秋のマスクやティッシュケース、きんちゃく袋など、
商品のバリエーションを増やし販売を続けました。

しかしながら、縫うのは好きでも、売ることに関しては不慣れなもので、
長期的に売り上げを立てることはできませんでした。
星の数ほどいるハンドメイド作家の中で、自分を見つけてもらうのは至難の技。
どんなにデザインが良く、どんなに使いやすい作品を作ろうと、
見てもらうことさえ難しいという現実に直面し、
スタート前の「どうせわたしの商品など売れるわけがない」という思いに、
また戻っていくのでした。

「この現状が、本当にやりたいこと?」

そこでわたしは、これまでのやり方を見直し、
販売の仕方を学ぶことにしました。

販売の仕方を学ぶ…それは原点に立ち返ることでした。

わたしはどんなお客様に、何を伝えたいのだろう?
 縫うことでわたしが実現したいのは、どんなこと?

そこで気付いた、一つの思い。

「子育て中の家庭に笑顔を届けたい」

仕事や家事、子育てという忙しい日々を過ごすお母さんたちが
生活の中に楽しみを見つけ、気持ちが安らぐことで、
家庭の雰囲気は驚くほど変わります。
頑張る女性のこころをそっと支えるような、生活雑貨をお作りしたいのです。

またかつて教壇に立ち、病気を克服してから保育士資格を取得したわたしは、集団生活で子どもを指導し、その成長に寄り添ってきた経験も生かしたいと考えます。

ハンドメイド作家はたくさんいるけれど、
わたしにだからできることがあります。

元小学校の教員で、その後保育士のパートを経験し、現在は3児の母
精神的不調の克服、心理を勉強、そして裁縫の特技を生かすことは、これまでわたしが経験したこと全てを統合する活動です。

大きな挫折を経験し、心理を学んだ今だからこそ、届けたい気持ちがあるのです。

「こころ」でつまずき、
「こころ」を学んだわたしは、
「こころ」をお届けする布小物作家です。

何をするか、何ができるかも大事ですが、
「どんな気持ちで生きていくか」も重要です。

誰かに作ってもらえることで「ホッ」とする気持ちや、
お気に入りを手にすることで「ウキウキ」する気持ち
使いやすさに感じる「心地よさ」

そんな「気持ち」を作品に乗せて、毎日の生活に一生懸命な人たちへ、こころ安らぐ時間をお届けします。

お客様の暮らしに寄り添い、心あたたまる作品をお届けします。
ぜひ一度、手に取ってみてくださいね。

ぬくもり布工房 金風由起子(かなかぜゆきこ)


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販売サイト【ぬくもり布工房】(MINNE)


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