染められたカッラ(カラー)

Zantedeschia カイウ(海芋)

一般的には「カラー」(イタリア語ではカッラcallaと呼ぶ。)

人混みに久しぶりに出かける。ペッシェ・ディ・アプリーレの海岸通りに今朝はメルカートが開かれる。アフリカや南米、東南アジアのブースが面白い。曼荼羅模様のネックレスと、東南アジア製の牡丹の花と極楽鳥の柄のパスポートケース、南米のドリームキャッチャー、「ウネエウリーノー!」(1ユーロだよ!)の声に負けてスカーフ、派手なフクロウの財布を買う。

メルカートで会った息子のクラスメートの女の子たちは、もう、私より背が高い。少し前まで私のおへそのあたりから顔を見上げていたのに、成長はあっという間だ。

自身の身体がこれからどう肉付いていき、やわらかくなったり、硬くなったりしていくのがまだ未知の若者たちの一群には、独特な熱気がある。目覚めたばかりの期待に熱を持っている。髪を整え、香りに気を使い、促されなくてもシャワーを浴びるようになる。彼らには、見えていないものがある。小さな子供が人々とすれ違いざまに、小さな子供しか見ないように。

小さい頃にふと思っていたことが、結局本当のことだった、と誰もが気づくのは、自身の身体が確実に劣化へ向かい、どう機能するかということがよくわかってからなのか。決めては迷い、迷っては決めしていく途上に。

メルカートには花市も出ている。最近よく見かけるのがカッラの色つきのもの。海岸通りのメルカートの花市にも色をつけられたカッラが所狭しと並んでいる。

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