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ザクロのグラニータ

初もの!ザクロのグラニータ
La granita melograno che la prima volta da vita mia in Sicilia da quindici anni

発売中の拙著『島嶼見聞録』 http://amzn.to/2nlW0xH の第一章に書いたように、ジェラート(アイスクリーム)もグラニータもシチリア島が発祥の地。パリのプロコープというジェラテリア(アイスクリーム屋さん)が世界初というのが定説だが、このプロコープは実はシチリア人。シチリア名はフランチェスコ・プロコピオという。

ただいま噴火中で普段よりも注目を浴びているエトナ山。エトナ山は日本の富士山と同等の三千メートル級の活火山で、富士山よりも少し遅く冠雪し、富士山よりもかなり早く雪が無くなって黒山になる。そうかと思えば平地で雨だと頂上では雪となり、また冠雪したりする。ちなみに現在のエトナ山は、北東側はまだ白く、今回の噴火の噴煙と溶岩の向きに当たる北西側は雪が溶けて黒い。シチリアではこの白くなったり黒くなったり、また白黒同時だったりすることからエトナ山をビアンコネーロ(Bianco白、Nero黒)とも呼んでいる。ビアンコネーロというお菓子もある(エトナ山の形をしている)。

このエトナ山の雪と、海水からとった塩を使って、6〜700年頃に食物の運搬と保存のための冷却装置から、一説によると偶然出来たのがグラニータだ。エトナ山の噴火時の溶岩は、頂上付近にたくさんの穴、つまり洞窟を作った。その洞窟を利用して、雪を使って保存装置とし、運搬の時には植物(アシなど)で編んだ籠を、雪と塩で固めた。この中に入れたレモンジュース、アーモンドミルクなどが最初のグラニータになった。写真は初もの、ザクロのグラニータ。

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