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『主権者のいない国』読書感想

Xで断続的に感想をつぶやいちゃったんだけど、内容に関してはおおむね同意だ。

白井聡さんは反米左派のレーニン主義の政治学者。ベストセラーの『永続敗戦論』を引き継いだ形。こちらも2017年に読了。

日本は戦後、朝鮮戦争と逆コースによって敗戦の否認に入ってしまい、沖縄を米軍に差し出す形で米軍に占領されていることを認識できなくなった。それどころか、米軍に撤退しないで、とすがりつく始末。そういう形での感情の劣化。

みたいな話。おおむねそれ。

特に、ネトウヨの感情の劣化(宮台真司の書籍からの引用の言葉)だけでなく、左派側の劣化にも触れていて興味深かった。

私は政治なんかまったく興味がなかった人間で、それが原発事故後に突如、政治関連の書籍を読むようになった。といっても専門書は難しいから読めないので、この手の本ばっかりたくさん読んでいる。矢部さんとかだ。

特に反米ってほどアメリカを憎んでる、だなんてことはない。トランプ支持ってわけでもない。バイデンもトランプもシオニストと仲良かったじゃん、ぐらいに思っている。民主党も共和党もどっちも正義だとも悪だとも思ってはいないんだけど、米軍基地撤退してくんないかな、とは思っていた。植民地すぎるじゃん。世の中のひとは、沖縄はかわいそう、とは思うけど、米軍基地撤退してほしいな、とは思わないものなのだろうか。国防の問題で?

核兵器なんか持ったってどうせ敵国条項で使えるわけがないんだから、米軍撤退したって今のまま、自衛隊でいいじゃん。ぐらいに思ってるんだけど、そんなこと言ったら怒られるんだろうか。

世は脱ドル化と世界多極化。アメリカ覇権の衰退だ。というわけで、おそらく朝鮮戦争終結→米軍撤退の流れじゃね?このまま行くと。台湾有事まで行かないで共和党政権になってしまうのではないか。それで逆コースにおける戦後の既得権益層の解体。

それも甘いのかなあ。

あと、新自由主義に染まりすぎてる日本人への批判もあって、わかるー。私ほんとなんか最近社会不適合者になってきてるかんじがする。全然社会に適応できないわーとか言いながら、それなりに新自由主義社会に存在しているかんじ。

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