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文脈と音楽ー自作との関連について

今学期テーマとなっている「文脈と音楽」について、前回はわたし個人が音楽界を俯瞰で見たときに気になった概念について書いていきました。もしご興味あれば読んでもらえると嬉しいです。

そして、本記事では前回整理したことを元に自分の作品を振り返ってみようと思います、2022年時点での自分史です。あまり自己紹介をする機会もないので、それも兼ねて書いていこうと思います。

作曲家のプレゼンテーションでは作品の創作過程やコンセプトを中心にお話頂くことが多いのですが、気になるのは「どうしてその作品を書くに至ったか」の部分だったりします。「委嘱で」とか「書きたかったから」とか色々あると思いますが、その人が創造活動をする理由やその核になる部分、もしくはベースになる思想がどこにあるのか、それがわかることで音楽への理解度が増す傾向が自分にはあります。

ですので、わたしが思う「音楽とは」という大枠ではありますが、その辺りからお話をしていこうと思います(本記事は、2022年4月に行われたさっきょく塾のレクチャーからの抜粋です)。


何をもって〈音楽〉を考えるか

創作/音楽美学/音楽社会学/音楽批評/音楽教育学/民族音楽学/音楽心理学/音響学/音楽情報学/聴覚文化論/etc…

引用:SERIESリベラルアーツ 人間5部作 [3] わたしの“好き”を見つける

https://www.youtube.com/watch?v=roZ2LviU1jQ

わたしは人が何を感じ考えるのか、それを言語ではなく音をもって抽象世界の中で知っていくことが楽しいと感じる質で、これを尊敬するヴィデオアーティストである河合政之さんが提唱する「Visual Philosophy」にあやかって「Sound Philosophy」と勝手に呼んでいます(単に言語が不得意ということもありますが、小さい頃から「耳」で思考することが多い子供でした)。

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