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ドイツ語圏で勉強ってこんなかんじ(随時更新)

どこかに留学行きたいな~と思っている方。まだまだ先のことなんだけど、どんな感じか知っておきたいなという方へ。ドイツ語圏音大への留学情報です。

• 学期
夏学期(4月~6月末)と冬学期(10月頭~2月末)の二学期制。

• 受験
入試は5月から7月。試験内容は、大学院の場合は主に面接。
学部は実技もあり。

• 生活費
生活費 - 家賃3万円(学生寮)~6万円、生活費10万ほど

• 授業内容・カリキュラム
 大学により特色あり。 基本は、個人レッスン、実習(アンサンブルとのコラボレーションなども)、テオリー(和声、対位法)、プロジェクト、修了コンサート

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ここからは私の経験から、細かく書いていきます。

私は桐朋学園大学卒業後に、オーストリア・グラーツ音楽大学ドイツ・ケルン音楽大学で勉強しました。

オーストリアのグラーツは、ウィーンから電車で二時間くらい、緑の多い都市です。とてもインターナショナルな大学で、オーストリア人のほうが少ないくらい。当時私のクラスは、日本人、韓国人、中国人、ギリシャ人、ドイツ人、オーストリア人、スペイン人、ロシア人、色んな国から勉強に来ていました。

グラーツ音楽大学は当時、作曲と指揮を扱う大きな学科があり、その中で「作曲理論専攻」、「舞台音楽作曲専攻」、「電子音楽専攻」、指揮科も「オーケストラ指揮専攻」、「合唱指揮専攻」、「舞台音楽コレペティション専攻」、「現代音楽の演奏を学ぶスペシャルコース」、「教育専攻」などに細分化されていました。この中で、複数の専攻に所属して何年も大学に所属している友達も多くいました。

私は、「作曲理論専攻」「舞台音楽作曲専攻」両方を受講して、通算5年間グラーツで生活しました。面白いのは、「作曲」「指揮」「現代音楽演奏」が同じ学科なので相互行き来があり、作曲家も指揮をするし、指揮科が楽理科も作曲をするし、それをスペシャリストが演奏したり、講評しあったりする点です。総合的に音楽を理論から実践まで凝縮して学べるコースだったと思います。卒業してからも同じチームとしてアンサンブルを作ったり、グループを組んだり、ということが頻繁に行われています。

その後、ドイツ・ケルンに移動し、Konzertexamenというコースで更に作曲を勉強しました(Konzertexamenは、ドイツの音大で言う最終過程です)。Konzertexamenでは、必修理論がなく、創作だけに集中しました。

オーストリア、ドイツ、共に学外のプロジェクトが組み込まれており、希望者が参加できる仕組みになっていました。学外のプロの演奏家に演奏をしてもらったり、トライアウトをしたり、卒業後にそれが仕事に繋がるケースもあり、わたしも出来るだけ多くのプロジェクトに参加しました。

大学外でも、個人的にアプライできるプロジェクトが多くあります。学生によっては大学はそっちのけ、その間に欧州中を駆け回って様々なコースに参加し、研鑽を積んでいく人も多くいました(コンクールやワークショップなど、探すと山ほどあります)。

欧州で活躍する作曲家は、大学のポジション以外にも、そういった講習会やワークショップの講師として教育活動に取り組んでいる場合も多く、わたしも大学以外で多くの素晴らしい作曲家のレッスンを受けることができました。人によって言うことや哲学も違っていて、その違いを知ることが勉強になりました。

続きます。

若手作曲家のプラットフォームになるような場の提供を目指しています。一緒にシーンを盛り上げていきましょう。活動を応援したい方、ぜひサポートお願いします!