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キャシー・バーべリアンのストリプソディを読む①

キャシー・バーべリアンとエリン・ジー

キャシー・バーべリアンの「ストリプソディ」という作品を知ったのは、グラーツ音楽大学に留学していた時です。その時、Erin Gee(エリン・ジー)が特別講師としてグラーツ音大に来ていて、「女性の声」についての講義があったんですね。「ストリプソディ」はその講義で挙がっていた作品の一つだったんです。コミック的描写を用いたノーテーションにとても興味を持ちました。西洋音楽の中での「楽器」は、その音楽の発展と共にあります。それは「人間の声」も然り。所属団体のjwcm(女性作曲家会議)でも、ジェンダーや社会に纏わる様々なことを日々議論していますが、「女性の声」「女性声楽家」と限定した時に音楽がそれに対してどのように対峙してきたのか、とても興味があるテーマです。
Erin Gee(エリン・ジー)の声を使ったシリーズ作品「Mouthpiece」。大好きな作品です。

さて、さっきょく塾では今期「言葉と声」をテーマに学習を進めてきましたが、今期最終学期(2021年2月・3月)は声楽家の薬師寺典子さん俳優の中川佐織さんをゲストに迎えて、キャシー・バーべリアンの「ストリプソディ」について学んでいきます。この記事では、実際に楽譜について実践的に勉強する前に作品の概要についてまとめていきます。

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